令和7年10月17日
新見(にいみ)美術館で開かれている開館35周年特別展に行ったが、その絵のすばらしさ、凄さに言葉もないほどだった。西田俊英氏は現代日本画壇を牽引する名前通りの俊英で、2,000年には広島市立大学芸術学部の教授を務めながら、数々の作品を発表している。2,012年からは武蔵野美術大学の教授を務めている。
今回の作品は、西田氏が屋久島に1年間移り住んで取材し、人間と自然の共生、生命の循環をテーマにした巨大日本画「不死鳥」を制作している途中までの成果を、ひと続きの絵の中で表している。完成すれば縦2.5メートル、長さは100メートルになる大作である。全部で六章からなる壮大な絵巻物で、今回の展示は第一章「生命の根源」第二章「太古からの森」第三章「森の慟哭」までであるが、心を鷲摑みされるような凄さに圧倒された。新見美術館は岡山県の西北部、小さな美術館なので、ありがたいことに観客も少なくじっくり鑑賞することができた。六章すべてが完成したらおそらく東京の美術館に展示されるだろうが、多数の人が押し寄せると思われる。今が絶好のチャンスである。ぜひ行ってほしい。
カテゴリー 日々是好日
西田俊英「不死鳥」展
やっと秋になった
令和7年10月2日
連日の猛暑が去って、朝夕は過ごしやすくなった。昼間はまだ暑い日もあるが、しのぎやすくなったのはありがたいことである。それにしても今年の暑さは異常だった。クーラーがなかったら熱中症になる人が後を絶たなかっただろう。昼間は屋外に出るとそれだけで汗が噴き出すので屋内にいるしかなかった。やっと昼間野外活動ができる。運動不足を解消したいし散歩・山歩きなどもしたい。
最近アルコールが増えて、カミさんからレッドカードが出ていたので今週から控えるようにした。なんと翌日から空腹感がよみがえり、ごはんがおいしいこと。そのうえ体重の増加も止まったようなのだ。恥ずかしいことだが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を実感している。ちょっと意味が違うかな。でもこれでいいのだ。
久闊を叙する
令和7年9月26日
猛暑の日々が続いていたが、やっと秋の兆しが感じられるようになった。最近、大学時代の友人と一夕を共にし、大いに語り合えたのは実にうれしいことだった。また、予備校時代の友人とも酒席を共にできたことも感慨深いことであった。どちらの友も人生を全うしている姿を見ると本当に良かったと思うし、友人であったことを誇らしく思ったことであった。まさに「久闊を叙する」である。考えてみれば若い日々のことは、恥ずかしいことや未熟だったことばかり思い出されてしまうが、いろんなことに真摯に向き合ってきたことも確かなことである。旧友に会うとその頃のことが思い出されて、自分の原点はここなんだと知らされる。そして人生の終焉になって自分を肯定できるのは幸せなことである。願わくば自分がかかわってきた人たちもそうあってほしいと心から思う。
感傷的になったのは秋になったからなのかな。
開院28周年
令和7年9月12日
平成9年9月10日に開院してから28年経ち29年目に入った。早いもので四半世紀以上この場所で診療をしてきたことになる。その間、最大のピンチはコロナに感染し、重症化したため県病院に入院したことである。挿管まで行われたが幸い回復して3週間の入院で済んだ。他にも市民病院に入院したり、静脈瘤の手術で逓信病院の杉山先生にお世話になったりなどがあったが、おおむね元気で仕事ができたのはありがたいことであった。
今まで続いたのは患者さんが来院してくれることが第一であるが、支えてくれる家族・スタッフのおかげである。深く深く感謝している。医会などの手伝いもさせてもらったおかげで、美味しい店もいっぱい教えてもらった。この頃は美味しい店を新たに見つけようという情熱が衰えてきたように思うが、アンテナはいつも張っている。
いずれにしても現在元気で診療できていることはありがたいことだと思っている。さあ今日も頑張ろう!
盆休み
令和7年8月22日
今年の夏の暑さは異常で、今年の盆休みはどこかに出かけようという意欲もなくゴロゴロしていた。以前は「休みしか行けないところを」と考えて、ミシュランなどを参考にして食事の店を予約し、そのうえで宿を予約して行ったものだ(予約の順序が逆のようだがこれでいいのだ)。
2,017年は仙台から東北に出かけ、松島・瑞巌寺・平泉・中尊寺などを訪れた。もちろん鮨屋の予約も忘れずにした。2,018年は鎌倉・箱根に行き、鶴岡八幡宮、箱根の森美術館などを楽しんだ。2,020年は四国から高知に行き、祖谷のかずら橋や仁淀ブルーを見ることができた。2,023年は大分県立美術館で行われていた養老孟司氏の「虫展」を見て湯布院に行き、翌日は佐賀県の武雄温泉に泊まり県立熊本美術館の「ホキ美術館」を鑑賞してきた。
もう少し涼しくなれば出かけてもいいかと思うのだが、この猛暑だとおっくうになる。年のせいもあるのだろうが、旅にも美食にも意欲的だったころが懐かしい。
日々是好日
令和7年8月1日
灼熱ともいうべき日々が続いている。地球はどうなってしまうのか、はなはだ心配である。湿度が高いのでいっそう暑さがこたえる。
気分転換に、ひさしぶりに尺八を吹いてみた。なんと!尺八らしい音が出るではないか。初めからこの音が出れば、今頃は普通の尺八吹きになっていたのにと思うとくやしい。初めから正しい吹き方を理解していなかったのである。楽器はどれも難しいが、少しでも上達すれば実に楽しいことである。
今から時間を戻すことはできないが、少しずつ吹いてみようと思う。暑い日、涼しい室内で昔の楽譜をとりだして、記憶をたどりながら練習するのもなかなかいいものである。今は尺八の世界から完全に足を洗ってしまったが、少しやってみてもいいかなと思わぬでもない。当時は真剣に練習していたことが、遠い夢のように感じる。また吹いてみよう。
道後温泉
令和7年7月25日
去年の8月に九州の温泉に行って以来どこにも行ってなかったので、土曜日の午前の診察を終えた後、カーフェリーで宇品港から松山に行った。いつも旅する時はまず、美味しい店を見つけて予約してその後で宿をとるのが通例だったが、最近は面倒なので食事付きの宿をとるようになっていた。今回は食べログの上位に載っていた温泉宿が目に留まったので行ってみたわけである。
温泉宿の食事は見た目は派手だがそれほど美味しくないことがあるが、「道後温泉御湯(みゆ)」は部屋も居心地よく、なによりさりげない距離感の対応で、気に入った。部屋についている露天風呂も適温で何度でも入りたくなる。そのかわり大浴場はあまりいいとは思わなかった。食事はさすがに美味しく接客も丁寧で充分満足できた。開業7年目だそうだが、また行ってみたい宿だった。
翌日は愛媛県内をあちこち巡り、しまなみ海道を通って帰宅、その翌日(祝日)は当番医として診療したが、久しぶりの温泉でリラックスできた。
参議院選挙が始まる
令和7年7月3日
投票用紙が届き、いよいよ参議院選挙が始まる。今回の目玉は少数与党になった自民党がどうなるかだ。ポイントはズバリ、減税政策を掲げるかどうかである。森永卓郎氏が亡くなる寸前まで「ザイム真理教」による増税路線を批判していたが、今の税制はまさに五公五民で江戸時代よりひどい重税である。消費税を無くすことを公約にしているのは「れいわ新選組」だけであるが、他の党も食料品は無税にするとか、いろいろ減税の提案をしている。
自民党は「ザイム真理教」に完全に帰依している重鎮が「税金は下げない」と主張しているので今回は惨敗するのではないだろうか。姑息な現金給付ばかり行っても景気は回復しない。森永氏の主張していたように、消費税を無くした方が購買力も増え、企業も活気がもどり、利益が増えることによる税額が増えることを考えるべきだろう。江戸時代でも四公六民だったのである。財務省は気がつかないところでいろんな名目で庶民からお金を徴収している。今こそ消費税減税を行うべきである。
体重がピーク
令和7年6月26日
体重がわが生涯のピークを迎えてしまった。高校時代と比べると20キロ以上の増加である。大学時代の後半は自炊の影響もありやや増加していたが、はじめのピークは小豆島の病院に一人医長で赴任していた時、30代前半だったが現在に近い体重になっていた。分娩を取り扱っていたので休日も島から出られない。他の科の医師たちが土日は島から出て遊んでいるのがうらやましくてならなかった。その不満が食の方に行ったのだと思っていた。
岡山市民病院に転勤が決まり島から出られる嬉しさに、ダイエットをして体重を10キロ減らした。その後、徐々に体重は増えてきて第2のピークに達した。ところが3年前にコロナに罹患し重症化、3週間の入院で体重は10キロ減った。これを維持しようと思っていたのだが徐々に増えていき気付けば元の体重に戻っていた。しかもこの1か月でさらに2キロ増えてしまっている。減量の方法はわかっているのだが、今の食生活を変える覚悟がまだできない。困ったものだ。
猛暑が続く
令和7年6月20日
梅雨入りしたと思ったら猛暑が続くようになった。昼間外にいると暑さで気分が悪くなる。去年も暑かったが今年はさらに暑くなりそうだ。気分転換に前から行ってみたかったミナモアにできたうなぎ屋、「4代目菊川」に行てみた。板わさでビールを飲んでいると名物の一本うなぎが焼きあがってきた。外はパリパリ中はホクホク、たれもちょうどよく美味しくいただいた。最後は出汁を入れたうな茶漬けにしたが、好みの店がまた増えてうれしくなった。
以前にも書いたがうなぎはやはりたれが大切で、こればかりは一朝一夕にできるものではない。かつてそごうにあった「伊勢定」のうなぎの味を求めていたがなかなかないものだ。新しく店ができたと聞くとすぐに行ってみるが、どの店も美味しいけれど「伊勢定」まではいかないと思っていた。「4代目菊川」もあと2~3回通わないとなんとも言えないが、いい店ができてよかったと思う。