平成16年5月31日(月)
ついに本格的な梅雨に入ったようだ。朝からじめじめして不快だ。さらに「あなたの作成した文書にウイルスがあったので取り除いておいた」という差出人のはっきりしないメールが来て、困ってしまった。どうもインチキメールのようだが、もし本当なら当方からメールを出すと相手に迷惑がかかるのでメールを出せない。朝何通かメールを出していたので心配になる。確認したところ、出したメールにはウイルスは入っていないとのこと。ほっとするが万が一ということもある。そこでウイルスバスターを最新のものに入れ換えてチェックしてからにすることにした。もちろんプロバイダーと契約してウイルスチェックは行っているのだが。そうやって二重三重にチェックしてもすり抜けることもあるだろう。油断もすきもない。
昼にあなご天丼を食べようと近所の天ぷら屋へ行くも、なんとあなごが売り切れとのこと。6年通っているが初めてだった。ここの天ぷらは美味しく値段も手頃。一度食べる価値あり。
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ウイルスチェック
のど元過ぎれば
平成16年5月28日(金)
今日は朝からばたばたした一日だった。こういう日にはミスがおきやすいので気をひきしめる。そのせいだろうか夕方には結構疲れてしまった。ただ昔と比べて良いのは夜起こされないことだ。だから昼間少々しんどくても一晩寝れば大丈夫である。夜、しょっちゅう起こされるつらさは経験したものでないとわからないだろう。私ももうほとんどわからなくなっている。20年近く起こされ続けていたにもかかわらず、である。「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」「人の痛みは百年でもがまんできる」などのことわざを思い出す。夜畳の上に寝転んでテレビを見ているうちに眠ってしまっていた。おやすみなさい。
ピルの副作用?
平成16年5月17日(月)
湿度の高い不快な日が続く。まるで梅雨のような天気だ。先日のトライアスロンの妊婦さん(4月30日の日誌参照)であるが、順調に経過している。来月頃またトライアスロンの大会があるそうだがこれはキャンセルしたとのこと。今は一日3キロ程度ジョギングをしているとのこと。「散歩の方がいいですよ」とは言っておいたが彼女には散歩では物足りないだろう。きっとジョギングは止めないと思う。
Dさんはピルを飲み始めて10日目ごろから体中に発疹が出てきた。その頃、胃薬も飲み始めたので内科を受診したら「胃薬のアレルギーの可能性が高いが、ピルを飲んでいるのなら婦人科にも聞いておいたほうがよいです」とのことで来院、一旦中止してもらう。その後、連休初めに発疹の薬がなくなったので、休日診療で受診した所入院をすすめられ12日間某国立病院に入院していたとのこと。入院していた皮膚科ではピルの可能性が高いとのこと。詳しくは落ち着いたら検査する予定だそうである。当院でピルを処方して3年になり8000シートぐらいは出していると思うが、こんなことは初めてである。どうかな?と思ったことは何回かあるが、結局問題なかった。検査の結果が待たれる所であるがDさんはできればピルを続けたいとのことだった。
逆子のお産
平成16年5月15日(土)
早速昨日の日誌をパスしてしまった。忙しかったこともあるが、正直しんどくなったからだ。有名人のサイトで毎日日記を公開している人がいるが、その気力としつこさには心から敬意を表する。
久しぶりに来られた人が「先生に逆子を取り上げてもらいました。その子はもう8歳で元気に走り回っています。お産の時赤ちゃんが途中で出てこなくなって、先生が真っ青になったとおっしゃったんですよ」とのこと。思い出した。逆子の分娩の時、赤ちゃんがバンザイをしてびくともしなくなったことを。あの時は本当に血の気がひいた。小児科の先生と他の産婦人科の先生に、すぐに分娩室に来てもらうよう連絡を頼み、助産婦に子宮を押さえてもらいながら、上肢解脱、無事に生まれたが分娩まで1分はかかっただろうか。赤ちゃんが無事に泣いてピンク色になった時は心からほっとした。完全に忘れていたが、患者さんの言葉ではっきりと思い出してしまった。
今はお産をしていないのでこんな思いはしなくてすむが、妙にになつかしいのはどうしてだろうか。きっと産婦人科医の原点であるお産をしてみたい気持ちがあるのだろう。
カレンダーどおり
平成16年5月1日(土)
世の中は連休に突入だが当院はカレンダーどおり。今日は思ったより患者さんが少ない。差し迫った人と妊婦さんなどがちらほら。こういう日は合間に本を読む。夏目漱石人生論集、読むほどにすごい人物だと思う。警世の言葉も現代にぴったりで全く古びてない。思うに真理は過去、現在、未来をとわず永遠なのだろう。そしてそれを知る事ができるのはそれらの人達が遺した言葉のおかげである。先人の到達した真理、心境をうかがう事ができるのも言葉(文書)があるからだ。言葉は本当に大切である。人を理解するのも信頼しあえるのも、同時に人と人との関係を破壊するのも言葉である。
今日もダイエット無月経の人あり。ダイエットは体に悪い。それもダイエットが必要な人はせず、十分スリムな人に限ってさらにダイエットして無月経になる。困ったことだ。
明日から4連休。何をするかまだ決めてはいないが、北山修(若い人は知らないだろうが「帰ってきた酔っぱらい」などをうたい、詩も一杯書いた伝説のフォークグループの一人、現在九州大学医学部教授)のコンサートには行くつもりだ。
高齢妊娠でトライアスロン完走!
平成16年4月30日(金)
連続10日間休みがなかったので、昨日の休みは貴重だった。今日は朝から流産手術。今月は流産がいつもの月より多い。流産は誰の責任でもなく運であることを一層感じたのは、2週間ぶりに来たCさんの話を聞いたからだ。あまりに驚いたので思わず「これは皆さんに公表してください」と言ってしまった。
Cさんは2週間前に高齢初妊娠とわかり、大いに喜んでおられた。まだ初期なので1週間後に来院するようお話するも来院せず、2週間後の今日来院され順調なことを確認したが、なんとこの2週間のあいだに宮古島トライアスロンに出場され完走したそうだ。3キロメートル泳いで155キロメートル自転車に乗り、42,195キロメートルのフルマラソンを走る、それも14時間以内に!す、すごい。お腹の中の新しい命はなんて強いんだろうと思った。正常な妊娠の極限の強さを見せられた気がする。トライアスロンを完走できる人はたとえ妊娠していなくてもほとんどいないと思うが、妊娠して挑戦した人は私の知る限りでは一人もいない。もし事前に相談されていたら、絶対ダメと言っていただろう。ただ本音を言うと、胎芽(赤ちゃん)が正常なら少々走ろうがどうしようが流産することはない、と思っているのでその確信が一層強くなったといえる。
なにはともあれ次回は彼女のパワーを分けてもらい、ついでに爪のあかをわけてもらい、自分の怠け癖を治す薬にすると共に、流産の予防薬として売ろうかしらん。ああ驚いた。
うれしい出産の知らせ
平成16年4月28日(水)
世間はそろそろ大型連休に入る。そのためか今日は患者さんが多かった。1年ぶりとか2年ぶりの人もちらほら。今日クリニックに来たはがきに無事に生まれた赤ちゃんの写真があった。なかなか妊娠せず根気よく治療をしてうまく妊娠したのに、中期に流産して落ち込んでいた人。でも気を取り直して再度チャレンジして妊娠、今度は早くから総合病院を紹介していたのだ。本当に良かったと思う。喜んでいる顔が目に浮かぶようで、一番うれしい時だ。
明日は祝日で休みなので診療日誌もお休み。ちなみに予定はテニスらしきもの1、尺八の合同練習1、娘とバイクを見に行く(これは危ないからダメという意見が強く中止になるかも)ぐらいだ。
妊娠中の風邪
平成16年4月25日(日)
今日は日曜なので本来は休診なのだが、広島市の産婦人科当番医のため開院した。当番医は各科の開業医が休日診療を順番に行うもので、半年に一度まわってくる。いつもどんな急を要する患者さんが来るかとてぐすねひいているのだが、ごく普通の患者さんばかりで、ほっとするような、拍子抜けするような。産婦人科で最も多い緊急を要するのは妊娠・お産関係で、何か起こればお産を予定している病院へ行くだろうから当番医の所へは来ないのだろう。
実際妊娠中にはさまざまな心配があるようで、電話相談などもよくある。妊娠初期なら出血の心配が多い。あとは風邪をひいたので薬をどうしたらいいかの問い合わせも。出血については色々な場合があるので、状態によっては受診を勧めることが多いが、風邪についてはひどくないかぎり、「あったかくして安静にしてください」という。知り合いの内科の先生は「風邪?寝ときゃあ治る」とおっしゃる。私も全くそのとおりだと思う。オランダなどでは風邪をひいて受診しても、熱があれば家で冷やして様子を見て3日たってもよくならなければ来院するように話して薬も出さないそうである。日本人は薬好きの人が多く、風邪でも薬を出さなかったら、もう来てくれなくなると聞く。また、妊娠初期は薬の副作用も気になり、風邪も心配だが薬も心配だという人が多いのである。でも風邪をひいたからといって胎児に影響があるわけではなく、(ウイルスによる影響があるとしたら感染した時点で影響がありどうしようもなく、薬を使うのは有害無益である)まさに「寝ときゃあなおる」と言いたいのだが、そう言ってしまうと身もふたもないので同じようなことをやんわりと言う。もっとも、どうしても薬が欲しいという人には、さからわずに薬を処方する。開業医は患者さんのニーズを優先するのだ。
そうこうするうちに夕方6時になり、休日診療は終わりとなった。明日は月曜日でいつもと同じ診療日だ。早く帰ってビールを飲もう。
性病の患者さん
平成16年4月24日(土)
場所がらか性病の患者さんが多い。どちらかというと、性病を心配して来る人の方が性病がなくて、心配してない人の方がほんもののことが多いようだ。性病で多いのはクラミジア、淋病、コンジローマ、ヘルペスなどで、誰から染されたかわからないこともよくある。結婚している場合は、相手は配偶者のことが多いが、そのことがよくわかってない人もいて、「どうしてこうなったんでしょうね」とのんびりしている。うつした相手がよそで病気をもらってきたことに気が付いてない(?)様子。こういう時は当方もとぼけて、「うーん、まあ相手のひとも治さなければいけないから、必ずお医者さんに行くように言ってください。そうしないとあなたもいつまでも治らないからね」と言う。後で聞くと、だんなさんもすぐに医者に行って治療したとのこと。良かった。これからも夫婦仲良く暮らしていって欲しいと思う。
今日は土曜日なので夕方5時で終了。明日は当番医なので休めない。
木曜日の午後
平成16年4月22日(木)
今日は診療は午前中のみ。午後からはフリーだ。開業するまでは、土日が隔週休みだったのだが、今は土曜も夕方までやっている。だから今日は貴重なのだ。初めの頃は、木曜午後を話を聞く時間にあてようと思っていた。日頃受診されるメンタルケアが必要な人に、1時間ぐらいを目安に話を聞いてアドバイスをすることにしていた。普通はこれを「カウンセリング」というが実際のところ難しく、いつも「共感を持って話を聞く」ことに徹していた。アドバイスされたぐらいで解決するような悩みなど、たいした悩みでなく、まず人に自分のことを知ってもらうことが第一歩と思うからだ。西洋には教会で懺悔をするという伝統があると聞く。ニュアンスは違うだろうが、「カウンセリング」も似たようなところがあり、人間には必要なのだと思う。
最近は「カウンセリング」の申し出がないので、午後からは運動したり趣味を行っている。