逆子のお産

平成16年5月15日(土)
早速昨日の日誌をパスしてしまった。忙しかったこともあるが、正直しんどくなったからだ。有名人のサイトで毎日日記を公開している人がいるが、その気力としつこさには心から敬意を表する。
久しぶりに来られた人が「先生に逆子を取り上げてもらいました。その子はもう8歳で元気に走り回っています。お産の時赤ちゃんが途中で出てこなくなって、先生が真っ青になったとおっしゃったんですよ」とのこと。思い出した。逆子の分娩の時、赤ちゃんがバンザイをしてびくともしなくなったことを。あの時は本当に血の気がひいた。小児科の先生と他の産婦人科の先生に、すぐに分娩室に来てもらうよう連絡を頼み、助産婦に子宮を押さえてもらいながら、上肢解脱、無事に生まれたが分娩まで1分はかかっただろうか。赤ちゃんが無事に泣いてピンク色になった時は心からほっとした。完全に忘れていたが、患者さんの言葉ではっきりと思い出してしまった。
今はお産をしていないのでこんな思いはしなくてすむが、妙にになつかしいのはどうしてだろうか。きっと産婦人科医の原点であるお産をしてみたい気持ちがあるのだろう。