令和5年8月24日
英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAnnette Thwaites氏らの研究によると、体外受精以外では妊娠出来ないと言われてARTを行って妊娠・出産した後、自然妊娠するケースが5人に1人あるという。実際に6回の体外受精によって妊娠して子供を授かった女性(当時43歳)がその後に自然妊娠して「自然妊娠する可能性は1%以下だと言われていたから驚きだったが準備不足を感じ呆然とした」という。
Thwaites氏らによるとARTによる妊娠・出産の後に自然妊娠した女性の割合は、対象者5,180人で追跡期間は2~15年で調べたところ20%だったという。
我々の周りにもそういったケースを見かけるが、そもそも原因不明の不妊は50%あるということは、わかっていることのほうが少ないのである。医学・生物学はわからないことが多すぎて、現在行われている治療も「あれは間違っていました」ということが今までもあったしこれからもあるだろう。医療者はこのことを肝に銘じて日々の診療に当たらねばと心から思う。