「鉄欠乏性貧血のニューノーマル」

令和6年3月15日
表題は広島大学産婦人科准教授の阪埜浩司氏の講演である。鉄欠乏による貧血は主に生理のある女性に起きやすく、我々産婦人科医にとっては日常的にみる症状である。経口の鉄剤を処方するが胃を刺激するので飲めない人もいて、造血剤を注射することもあるが、なかなか難しい。
最近我が国でも使われ始めたモノヴァーという治療剤は酸化第2鉄1000mgを点滴するだけで4カ月鉄剤を内服した時と同じ効果がでるという。特に1か月後に手術を予定していて早く貧血を回復しておきたいときなどは最適の方法だそうである。こんな製剤が出ていることは全く知らなかったので勉強になった。やはり講演や勉強会にはできるだけ出席して聞いておかないと浦島太郎になってしまう。
若い頃は高齢の先生たちの治療を古臭いなどと思ったこともあるが、今になっては若い人たちからは同じように思われているのだろう。歴史は繰り返す。