性感染症について

令和4年12月1日
性感染症でよくみられるのは「クラミジア感染症」で、無症状の保菌者も多いのでその発見が蔓延を防ぐ最善の策である。男性は排尿痛などの症状がみられることが多いが、女性は無症状のことが多いので注意が必要である。「淋菌感染症」もよく見られ、クラミジアと同時の感染がみられることも多い。これらは抗生剤で治癒するので早めに受診した方が良い。「尖圭コンジローマ」はHPV感染による「イボ」で、外陰部・膣・肛門などに多発するがクラミジア感染も併発していることもある。「ヘルペス感染症」はHSV-1によるものが多いが、初感染の場合外陰部に潰瘍をつくるなど痛みが強い。薬はあるがあまり効果がなくそれでも2~3週間で治るので「日にち薬」の病気といわれる。再発の場合は4~5日で治るので薬はほとんど要らない。
このところ増えているのが「梅毒」で以前はほとんど見たことがなかったが、今年は全国で1万件を超えたという。外陰部の痛みや鼠経リンパ節の腫れ、バラ疹、手掌丘疹などから発見されることもあるが、無症状で見つかることも多い。ペニシリンで治癒するのでやはり早く受診することが肝要である。かつては時々あった「毛じらみ」はあまり見られなくなった。「膣トリコモナス」は魚臭を伴う泡沫状黄色帯下などで発覚するが慢性化して無症状のこともある。
人と人との接触がある限り性感染症がなくなることはないだろうが、早めに見つけて治療することが大切である。