「藤井聡太論」

令和3年10月6日
表題は「光速の寄せ」で21歳で将棋名人になった天才、谷川浩司永世名人の著作である。将棋には興味があり、子供の頃は大山康晴名人が将棋界のトップに君臨していて、その強さは歴史上最強ではないかと今でも思っているが、その後の流れが面白い。長く続いた大山時代は中原誠名人に取って代わられる。その後に出てきたのが著者の谷川浩司名人である。ところが谷川名人の時代は長く続かず、羽生善治名人がその地位につき、長い羽生時代が続くことになる。羽生名人はその功績によって国民栄誉賞を受けるが、その時には藤井聡太棋士は16歳だったがすでにプロ棋士になって快進撃を続けていた。
藤井聡太棋士は14歳で将棋のプロになり29連勝という信じられないような記録をつくる。その後も快進撃を続け、現在タイトル3冠で無類の強さを示し、藤井聡太の時代が始まっている。どこまで強くなるのか、なぜこんなに強いのかを天才、谷川浩司が分析しているのがこの本である。かつて江戸時代には天野宗歩という天才棋士がいたが、このような人物は一定の周期で現れるのだろう。自分の考えでは「天野宗歩」「大山康晴」「羽生善治」「藤井聡太」という流れだ。