令和2年7月27日
連休(と言っても土曜日は診療していたが)に友人夫婦と特別史跡閑谷(しずたに)学校を訪れた。閑谷学校は岡山県備前市にあり、1670年に岡山藩主池田光政によって創建された世界最古(?)の庶民のための公立学校で、備前平野の閑静な山裾にひっそり建つ日本遺産でもある。広い敷地に国宝の講堂をはじめ、学房、聖廟、神社などの建物があり、周囲を300年経っても変わらない精緻に造られた石塀が取り囲んでいる。隣には椿山があり池田光政公が祀られていて、手前には青少年教育センターも併設されている。
実はこの施設を学生時代使用したことがあったのだが、50年近く前とほとんど変わらぬ佇まいに感嘆したことである。大学男声合唱団の夏の合宿で滞在は1週間ぐらいだったと思うが、昔はこんな風にしていたのかという貴重な体験だった。周囲に何もないので気が散らないし、大きな声を出しても迷惑にならない。その分、1週間も経つともやもやして来て街の明かりが恋しくなってくる。昔の人はこれも鍛練と思って勉学に励んだのだろう。夏は涼しいが冬はさぞ寒かったことと思う。久しぶりにいいものを見せてもらった。