月別記事一覧 2020年8月

夏の終わりに

令和2年8月28日
日中はまだまだ暑いが、朝夕はしのぎやすくなってきた。律儀なもので四季は毎年、きちんと巡ってくる。それに合わせて服装を始め生活様式を変えて凌いできたわけだが、昔の生活と比べると格段に良くなっているのは間違いない。明治、大正、昭和初期の頃の文学や随筆などを読んでみると、その頃の日常生活がおぼろげながら浮かんでくる。自分が農家出身で田舎の生活が身についていたので想像できるわけである。洗濯機・冷蔵庫・テレビはいずれも小学校時代以降に買って、それまではごはんはカマドで焚き、洗濯はたらいで行い、風呂は五右衛門風呂、トイレはぽっとん便所、これが村では当たり前の状態だった。水は井戸から汲み夏は戸をあけ放ち蚊帳をつり、冬は風呂を沸かした後の炭を使ったこたつで暖を取った。現代はその頃の生活からは考えられないくらい快適な時代になった。今から昔の生活に戻れと言われても無理である。ほぼ全員が高性能パソコン(スマホ)を持つようになるなど想像もつかなかった。こんな時代がいつまでも続くとは思えないとふと考えてしまう季節の変わり目である。

仁淀ブル―

令和2年8月21日
Go to travelを利用して四国に行った。高知県の山岳観光のメッカ、工石山を背景にした高知市から車で30分の「オーベルジュ土佐山」が予約できたからである。車で出発、瀬戸大橋を渡り香川県の道の駅で讃岐うどん、前から行ってみたいと思っていた徳島県の祖谷のかずら橋へ。奥深い渓谷なので人は少ないだろうと思っていたが、結構多かった。それでも15分ぐらい待って渡ったが、普段なら3時間待ちとのこと。3密を避けるために行ったのだが、同じように考えている人が多いとみえた。その後高知市を素通りして土佐山へ。狭い道を抜けると水の上に浮かぶような宿が現れた。部屋数は14とコテージが3でゆったりしている。温泉は露天風呂もあり、湯船から空を見ると星が全天を覆い尽くしているようで、これほどの星を見たのは初めてである。
翌日は清流仁淀川をさかのぼって「にこ淵」へ。道が狭く車のすれ違いのできないところが多くてひやひやしたが、早めに出発したおかげで何とか駐車場所もあり「にこ淵」を見ることができた。その時はブル―ではなくグリーンだったが光の加減できれいなブルーになるという。その後は松山市のうなぎ店「つしま」へ。ここは以前から松山に行った時はよく行くうなぎ屋で自分の好みである。どこにも寄らずしまなみ海道を渡って広島へ着いたのは夕方、四国全県を通過したことになる。時節柄とはいえ気分転換になるいい旅だった。

行きつけの店

令和2年8月12日
ここ10年くらいは、夕食に行った店を記録している。元来、そんなことを記録するような性格ではなかったのだが、新たに尺八を習い始めた師匠の教えを毎回書き留めるノートを作ったのが始まりだった。A4ノートに1回のレッスン(稽古と言う)の内容を1ページにまとめていた。そのノートの余白に夕食(飲みも含めて)に誰とどこに行ったかをメモすることにしたのである。初めの頃は結構記載漏れがあったが、途中からはきちんと書くようにしたので、会食の詳しい記録になっている。初めの頃はホテルなどの会食を除いて、和食の店が多かった。小料理屋・居酒屋も結構通っていて、いくつもの店がなくなっていったのも見た。通っているうちにいつの間にか落ち着ける「行きつけの店」ができてくる。味もそうだが、やはり店主との相性が良くないと通う気になれない。そうして「行きつけ」になった店も、やがて店主の高齢化や他の理由で閉店になったり、店の料理人が新しく店を始めてそこへも通うようになったり色々変化がある。
「行きつけの店」のカウンターに座ると楽しい気持ちになり、今日はどのような組み合わせで食事をしようかと揉み手をする心境になる。自分にとってアルコールは料理を美味しく食べるために欠かせないが、元来アルコールに弱いので飲み過ぎにならないのがありがたい。最近は和と洋が半々で、洋の時はワインを飲むようになって食の世界が広がっている。

コロナ太り

令和2年8月7日
最近体重が過去最高に近い状態になっている。かつて30歳の頃、小豆島の病院に大学より派遣されて2年間勤務したが、この時が生涯で最も体重が増していた。なにしろ赴任していた町立病院の産婦人科医師は自分一人なので、休日も島からは出られずストレスが貯まる上に遊ぶ場所もない。他の医師たちは休日は本土へ遊びに行くが、いつお産があるかわからないので出かけられない。島内の観光場所などは1ヶ月もあれば行き尽きてしまう。わずかに夕方から病院内の有志でするテニスぐらいが気晴らしだったが、その後の酒盛りでかえってカロリーの取り過ぎになる。岡山市内への転勤が決まった時にはあわててダイエットをしたものである。太り過ぎはカッコ悪いではないか。この時は1か月ちょっとで10kg減らした。
今回のコロナ太り(本当はコロナとは関係なく単なる食べ過ぎ)にはさすがに困っているが、若い時に比べてモチベーションが湧かないのは困りものである。ダイエットをしなければと思いながら今日も美味しく晩酌をしている、嗚呼。