平成26年2月7日(金)
当院には緊急避妊ピルを求めて来る人が結構いるが、いつも説明することは、緊急避妊ピルの妊娠阻止率はそれほど高くないことである。従来行われていたヤツペ法は、中用量ピル(プラノバール)を性交後72時間以内にまず2錠内服し、12時間後にさらに2錠飲むことにより妊娠を阻止するというものである。実際の阻止率は文献によってかなりの違いがあり、それほど高いものではない。最近ではLNG法といって、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を2錠内服するだけでヤツペ法より阻止率がやや高く、副作用(吐き気)の少ない方法が承認された。
どちらの方法も機序は不明であるが、排卵を遅らせるか抑制するということなので、排卵後に内服しても効力はきわめて低下する。ヤツペ法で使うピルは値段が安いので負担が少なくてすむのだが、LNG法で使う薬はあまりに値段が高いので当院では扱っていない。いずれにしても確実な緊急避妊法はないということである。一方、低用量ピルを普段から内服していると非常に高い確率で避妊ができる。副作用も少なく副効用(生理痛の改善、生理の量の減少、生理の時期のコントロールなど)も多いので薦めている。