おならについての考察

平成25年5月10日(金)
広大感染症科、大毛宏喜教授の「腸内細菌との上手な付き合い方」というタイトルのユニークな講演があった。ヒトは飲食の際、同時に空気を飲み込みその一部が腸を経ておならとなる。教授が米国に留学していた時に、腸内細菌とおならの関係、においの原因、においの消臭法など研究したことを面白おかしく講演された。
一日のおならの量は男女共に約700ml、なぜ臭いかというと、食物に含まれるイオウと腸内細菌が関係している水素により産生される硫化水素が原因で、同時に出るメタンガスなどは無臭だとのこと。硫化水素はシアン化合物と同じくらい猛毒でほんの少量でも強烈な悪臭がするという。
大毛教授のユニークなところは、この強烈なにおいを消すためにさまざまな実験をした結果、活性炭をブリーフ型パンツにつけるとほぼ完全に消臭できることを発見し、商品化を考えたことである。帰国後、国内のメーカー50社以上にあたったところ、活性炭を織り込んだ布は技術的に作れないと言われた。それでもあきらめずに調べていたら、活性炭より効果は落ちるけれど消臭できる特殊な樹脂を作っているメーカーがあり、試行錯誤の末めでたく消臭パンツが誕生した。その応用で消臭靴下、消臭カバー布、介護の消臭グッズなどが全国に出回っているが、教授は公務員なので1円もお金は入らないという。でもアイデアを出すのが好きなので色々なことを考えているそうで、柔軟な考えの人の話は面白い。