平成22年9月8日(水)
作家の曽野綾子氏が新聞や雑誌などに載せているエッセイや論文は、わが意を得たりという内容が多く、面白く読ませてもらっている。さらに氏のいささかの揺るぎもない信念に基づいた行動は、立場や地位によってしたくもないことをしている世の男たちにはうらやましいことだろう。
私は健康診断やドックは意味がないことをいつも言っているが、もし自分が検診センターの所長の立場だったらそんなことは言えないだろう。また、保健行政の立場にいても言えるわけがない。ありがたいことに自分はそういう立場になれないし、なろうとも思わないのでその点で気が楽である。
日大の医学部教授で検診センター所長の久代氏は、アサヒメディカルに控えめながら健康診断やドックによる寿命の延びはないことや、CTなど取り入れたさらに詳しい検診についての疑問を述べている。私の深読みかもしれないが、最も検診を推進しなければならない立場の人がこのように述べているということは、本音では「百害あって一利なし」と思っておられるのではなかろうか。