脳死はヒトの死か

平成21年5月16日(土)
脳死についての新たな取り決めが検討されている。脳死は人の死か、という問題である。
ヒトの死とは心臓停止、呼吸の停止、瞳孔散大が不可逆的におこった状態をいうことが今までの常識であった。でも、臓器移植のためには脳死のみで死と確定しないと移植できないことがわかったので、脳死をヒトの死と決めて臓器移植をしているのが欧米の国々である。わが国では死生観が欧米と異なっているために、脳死をヒトの死と認めるには違和感があり、さらに臓器移植に対しても同様の気持ちがあった。だからこれだけ時間をかけて議論しても先へ進まない。
わが国の死生観は欧米とは異なっているが、長い歴史に基づいてできたものであるから、我々の心情に即している。このままでいいと思うのである。