平成18年9月12日(火)
看護協会が「内診は助産師に限ることを徹底する」との声明を出したとのことである。なぜそんなにかたくななのだろうか。看護職は医師の介助をするのではな く、看護計画に基づいた正しい看護をするのが仕事だというのだろうか、それなら看護師による血圧測定も採血もICUのモニターもできないことになる。
「内診」は特別なことではない。きちんと指導すればだれでも所見がとれる行為である。所見の判断は医師が責任を持ってすればよいのである。さらに現在の助産師の数では日本中のお産をカバーすることができないこともわかっているのに。なんのために医療を目指したのか考えてほしい。患者さんを良くしてあげた い、そのために医師も看護師も技師も薬剤師も協力し合っていくのではないのか。
看護職を専門化していってもミニドクターが増えるだけで、患者さんのそばにいて励ましたり話を聞いたり便の世話をするという最も大切なことを担う人がいな くなる。患者さんが本当に癒されるのは看護師のこれらの行為である。医療者はそれぞれの役割分担のなかでできることをやればよいのである。内診を看護師が したからといって医療の質が落ちるわけではない。はじめに戻って「患者さんのためにどうしたら一番いいのだろうか」と常に考えているなら、このようなこと にはなっていないのではないだろうか。