ピル普及のためのセミナー

平成17年7月26日(火)
先日医療従事者を対象にしたピル普及のためのセミナーに参加してみた。ピルの会社がスポンサーになっていて、産婦人科の医師とスタッフをターゲットにしてピルを普及させるように啓蒙する試みで、全国各地で何回か行われているようである。会場には結構参加者がいたが、惜しむらくは医師の参加が少なくその大部分はすでにピルを積極的に処方している人ばかりで、頼まれて参加している人たちがほとんどのようであった。私はピルの会社からはいっさい頼まれていなかったが、興味があったので参加したのである。そこで思ったことは、ピルの有効性を認めて処方している医師ばかり集めてもあまり意味はなく、処方していない医師に話をしないとセミナーの目的は果たせないだろうが、興味のない医師はそもそも集まらないから難しいということだ。またいくらピルがいいからとすすめてもユーザーが必要を感じなければこれまた意味がない。なんでも日本は先進国のなかではピルの普及率が最も低く、1,8%で(ちなみに欧米では20~40%だそうである)もっと普及させようということである。
広島で多くのピルを処方している医療機関の一つである当院の感触では、日本でのピルの普及はそのメンタリティゆえに難しいだろうと感じる。最近は若い世代が結構使うようになっているが、ピルは自然に反するとの気持ちの強い世代には論外のようだ。私としては、必要な人には勧めているがこちらから大々的に宣伝してまで出そうとは思わない。