セカンドオピニオンについての考え

平成17年7月29日(金)
当院にもセカンドオピニオンを求めて来院される患者さんがおられるが、ほとんどの場合初めの医療機関の診断・治療方針と同じ意見である。むしろそれとは関係なく来院されて問診の際に以前の診断と治療に?を感じることの方が多いように思う。診断に関しては診断した時期が異なれば微妙に違うこともあるし見立て違いもあるだろうが、一旦診断が確定し治療を始めれば内容によっては患者さんになんらかのストレスを与えることになる。
子宮内膜症などはこういう事が起こりやすい典型的な疾患で、いろいろな問題を含んでいる。まず診断そのものが初期のばあいは難しい。つぎに、たとえ正確に診断できてもなかなかいい治療法がないということもある。そのために高額な薬や長期にわたるフォローをするようになり、場合によってはよりストレスを与えてしまうこともあるかもしれない。したがってこういう疾患はなによりもまず正確な診断が必要であり、治療も長期にわたる可能性があるのでできるだけ患者さんの負担が少ないようにする必要がある。それぞれの治療法の利点と欠点を説明して選んでもらうようにしているが、どうしても自分がいいと思っている方法をよりくわしく説明してしまうようだ。
誘導は良くないとは思うが、みすみすあまりよくないと思っている治療法を選ばれるのは気の毒である。そのあたりのことが難しいのである。