耐性菌の増えた性病

平成16年7月9日(金)
腰が痛い。日曜日にテニスをした後、何年ぶりかのマージャンをしたためと思われる。一度ヘルニアになってからはすっかり腰がだめになった。ちょっと運動をすると痛くなる。情けないことである。今回はどちらかというとスジが痛いようなのでまだマシであるが。
今日は、パートナーが淋病になったので、自分も感染していないか調べて欲しいと言う人が何人か続いた。ちょうど昨夜講演会で性感染症の話があったばかりである。いま淋病は耐性菌が増えて、以前なら簡単に治っていたのが治らなくなったという話であった。これは我々開業医が日々感じていることである。実際なかなか治らない。クラミジアなら内服剤で良いが、淋病は抗生物質の静脈注射でないと治りにくいのである。
性感染症の蔓延で有名なのはコロンブスがアメリカ大陸(実は西インド諸島)から持ち帰って、あっという間にヨーロッパ中に拡がった梅毒である。この梅毒は日本にも持ち込まれ全国に拡がった。西インド諸島の風土病であった梅毒が、ヨーロッパを経て日本に拡がるまでの期間はわずか数十年である。人間の性行動はまことにすごいものがある。生殖力の強さと性病の蔓延の強さは一致するようである。生殖力が強いから人類はこれだけはびこってきたのだろう。性病の存在もある意味で仕方がないのかもしれない。