平成16年7月31日(土)
医療事故が多い科は産婦人科であるという。実数では内科、外科、整形外科なども多いようだが、割合でいうと産婦人科が多いのである。そしてその多くは妊娠、出産時の母と子に関することである。
当院はお産をしてないので、事故の起こる可能性は低いのであるが、お産をしている医療機関は万全の注意を払っているにもかかわらずいろんな事がおこる可能性があるのである。これはそもそもお産がそういうものだからだ。妊娠ー出産のどの時でも、何が起こってもおかしくないという危険を秘めている。これは産科に携わった者であれば肝に銘じていることと思う。ところが多くの場合、なにもしなくても無事に生まれる。だから、世間ではお産は無事に生まれてあたりまえと思っていることだろう。そのために、何かが起こった時に産科医の責任といわれるのである。
実際はどれだけ注意していてもどうしようもない、不可抗力によるものも多いのがお産である。産科は妊娠ー出産というめでたいことを扱う科であるが、24時間待機しておかなければならない科でもある。これらの所為なのだろうか、産婦人科医はじりじりと減っている。もっと増えていかないとお産ができなくなってしまわないだろうか。