フルートの演奏会

令和2年1月24日
エリザベト音楽大学のセシリアホールでフルートの演奏会があった。フルートの演奏会に行くのは初めてである。広島を中心に活躍している16人のフルート奏者(主に女性)が中心になって演奏会を開いていることを初めて知ったのだが、今回はゲストにNHK交響楽団の首席フルート奏者で桐朋学園大学教授の神田寛明氏を招いての演奏会であった。
初めて聴いたがフルートだけでこれほど素晴らしい音を作り出すことができることに驚いた。圧巻は神田寛明氏のミニリサイタルで、一音もゆるがせにせずそれでいて流れるような演奏はただただ聞き入るのみだった。パガニーニの「カプリス第24番」は重音を駆使しての超絶技巧的な曲で、フルートで重音を使うことを初めて知った。最後のステージは16人のフルーティストと神田氏のコラボでグリーグの「ペール・ギュント第1組曲」、この曲は中学校の音楽の授業でレコード鑑賞で聴いたのが初めてで、好きな曲であったがフルートだけで(ピッコロ、バスフルートも含む)オーケストラに匹敵するような演奏ができることに感銘した。ソルヴェイグの歌のソロメロディを神田氏が吹くのを聴いていると、自分はこの歌が好きだったことを思い出して感慨深いものがあった。いい演奏会だった。

読書について

令和2年1月17日
読書についての初めての記憶は小学校へ上がる前、6歳と4歳上の兄たちが学校へ行ったあとヒマにまかせて兄たちが購読していた小学5年生とか6年生などの雑誌を読んでいたことである。その中で「弓鳴り為朝」という物語が好きで、弓のうまい主人公の少年がイノシシを仕留めその肉を焼いて食べるシーンは実に旨そうで、思わず喉が鳴ったものである。その時にイノシシのことを「山クジラ」というのだと知った。小学校へ上がってからは図書室の本を借りまくっていたので、特別にまとめて借りられる特権を得ていた。それ以来活字中毒というか、読書は空気や水と同じで当たり前のもので、特に意識して読書をするのではなく知らぬ間に読んでいるという状態であった。
ところが最近、本屋で面白そうな本を買っても読んでしまう前にどんどん新しいものを見つけて買ってしまうので積読(つんどく)が増えてきている。漫画も読まねばならないし週刊誌も月刊誌もDanchuなどの食べ物の雑誌も読みたいので正直、時間がないのである。TVも見たいしゲームもやりたい、フルートも吹きたい、アルコールも欠かせない、どうしたらいいのだろう。

日本統計年鑑

令和2年1月10日
令和元年の我が国の出生数は90万人を切ったそうであるが、日本統計年鑑のデータを見るといろいろなことがわかってくる。昭和40年(1965年)から5年ごとに女性の年齢階級別出生数と出生率を表にしているが、平成2年までは20代後半の女性の出生数が最も多かった。平成2年頃からこの年代の女性の出生数が減り、30代前半の女性の出生数が増えてきて平成17年(2005年)からは30代前半の女性の出生数が最大になった。
最近では20代後半の出生数と30代後半の出生数が同じになっている。これは統計史上初めてのことだと思う。さらに40代後半の出生数については、体外受精という技術が一般化する前までは200~500人ぐらいだったが、平成26年(2014年)からは1200~1400人に増えている。
昭和40年には年間180万人も出生していたのに昨年はその半分になってしまった。広島県のお産をする病院も減少の一途をたどり、新幹線の沿線以外の地域ではお産のできる施設はほとんどなくなった。世界の歴史をみれば民族の興亡は必ずあり、どんなことをしてもこの流れは止まらないだろう。戦後の何もない時代から現在の便利さに満ち溢れた時代までを経験してきた我々世代としては、いい夢を見せてもらったと思うが、まさに「諸行無常」である。

謹賀新年(令和2年)

令和2年1月4日
新年おめでとうございます。
本日より診療開始、例年通りの来院数であるがやはりピル希望の人が多い。休み明けといっても大きな変化はなく、少し長めの休みがあっただけで通常の診療になっている。ただ、クリニックの入っているビルで今日から診療しているのは当院だけのようで、それはそれでうれしい気持ちである。
今年の抱負は①体重を減らす(いつも思ってはいるのだがうまく行かない)②アルコールを控える(これもなかなかうまく行かない)③フルートをうまく吹けるようになりたい(これは努力次第だが今からでは…)ということで、初詣のときに家内安全などのメインのお願いに加えてひそかに追加お願いしておいたのだけれど、たぶんダメだろう。一年の計は元旦にありというが、本気でそう思っていないのでうまくいかないのかもしれない。ともあれ今年もよろしくお願いします。

一年を振り返って

令和元年12月28日
今年はなんといっても平成から令和に改元されたことが一番の出来事である。天皇制という世界で唯一、悠久の伝統の継続を経験することができたのは、ありがたいことである。これで昭和から平成に移るときと合わせて2回の改元を経験したことになる。
クリニックは今までと変わらず、①的確な診療②わかりやすい説明③本当に必要な検査以外はしない④来院回数をできるだけ少なくする⑤意味のない薬は出さない⑥来院してよかったと思ってもらえるように努める、の方針で行っているのでストレスがないし、これからもこの姿勢は変わらない。
もう一つの出来事は尺八を中止したことである。10年以上頑張ってきたが、心にかなった美しい音を出すという肝心な技術が自分にはないことを思い知ったため、これ以上努力する気持ちがなくなった。それに代わるものを検討しているが来年は手ごたえを感じるものをつかみたいものである。

師匠の演奏会

令和元年12月20日
尺八の師匠のコンサートが平日の夜、東区民文化センターで行われた。個人コンサートは10年ぶりだそうで、古希の節目に今まで交流のあった人達に感謝の気持ちを込めてとのことで入場無料で行われた。自分は夏にめまいを起こして以来、尺八は一切吹いていないが師匠のコンサートには行かせていただいた。200人近い人で会場はほぼ満席、途中で退席する人もなく初めから終わりまで静かに耳を傾けている人がほとんどだった。師匠の人がらと尺八の音色にひかれて集まっている人ばかりのように思われた。久しぶりに聴く尺八の音は実に快く、こういう音を出せるなら尺八を再開してもいいかと思うのだが、10年以上頑張ったけれど自分には無理だと確信してしまったので、もっぱら聞くだけにするつもりである。
それにしても音楽は本当にいいものだと改めて思った。自分の中での音楽史を振り返ってみても、「こんなすごい音楽があるのか」と思ってのめり込むことが何度もあり、それは自分の記憶のなかに順を追って収まっている。そしてこれからもそのような感動が何度あるかわからないが、是非あってほしいと思う。

歯の治療

令和元年12月13日
歯磨きの際に歯ブラシの毛が刺さりどうしても抜けないので同じビル内の歯科を受診した。同じビル内に施設があるのは実にありがたいことで、同じく耳鼻科・内科にもことあるごとにお世話になっている。特に耳鼻科は大いにお世話になっていて、最近でもポリープを取ってもらった。いい施設が同じところにあるのはありがたいことではあるが、どの科にしても受診するのはおっくうなもので、特に歯科受診はどんよりする。
刺さった毛を抜いてもらった際に虫歯を指摘され治療することになった。幸い2回の治療で終了したが、歯の具合が悪いのは日中いつも意識されてまことに落ち着かないものである。どの科にしてもこれからますます受診する機会が増えてくるだろうが、自分が受診する時の気持ちを忘れずに、当院を受診する人達に接していこうと改めて思ったことである。
実は先週の診療日誌はどういうわけか完全に忘れていて、今日になって気が付いた次第である。ボケが始まったか。

弥山の紅葉

令和元年11月29日
紅葉を求め久しぶりに宮島に行った。以前紅葉谷コースを登ったことがあり、一応登れる装備で出かけたが、急峻な登りを目の当たりにして気力が萎えてロープウエイを使ってしまった。さすがに観光客が多く1時間待ちだったが我慢して待ち獅子岩まで乗り換えで15分、そこから頂上まで歩いて絶景を楽しんだ。ふもとから徒歩で登ってきた外国人も多数見られ、さすが宮島は世界遺産なのだと思ったことである。持参した弁当にビール、冷酒、十分満足して帰りは歩くことにしたが、これが間違いだった。
最近はほとんど運動していないうえに体重増加、下山は足に負担がかかり途中で何度も休みながらやっと紅葉谷までたどり着いた。その日はそれで終わったが、翌日から足の痛みで好きな自転車通勤もできず、階段を下りることもできない。何とか診療はできたが普通に歩けるようになるのに3日かかった。一念発起して体重減少、運動を増やそうと思ったが、わずか数日でいつもと同じ楽な生活になってしまった。でも次こそは弥山に自力で登ってやろうとひそかに思っている。

講演会

令和元年11月22日
「女性が健やかに輝き続ける社会を目指して」と題しての慶応大学吉村泰典名誉教授の講演があった。吉村氏は少子化対策にも関わっていて、これからの日本をどうしていけばいいか大局的な観点からの講演であった。毎年生まれる子供の数は減る一方で、去年は90万人を少し超えるぐらい、来年は90万人を切るのではないか。そして65歳以上の人口が増える一方の非常にいびつな人口構成になっている。結婚年齢も上がってきているし非婚の人数も増加している。これでは子供の数が増えるわけがない。原因を様々な面から追求し、打開策を検討しているがうまくいかないのが実情で、現に人口は減る一方である。
ヨーロッパでは300年ぐらいの周期で人口の増減が起きてその範囲で安定している、という広島大学工藤教授の話もあったが、我が国の人口の変化は世界でも例を見ないことで、先行きは暗い。江戸時代の人口は後半で3000万人ぐらいといわれているが、鎖国時代の人口はそれ位がちょうどよかったのだろう。民族の興亡もヒトの一生と同じで意図してもどうしようもないのではなかろうか。我々としてはとりあえず目の前のことをきちんとやっていくしかないのではないか。先人たちがやってきたように。

「人体誕生」

令和元年11月15日
表題はブルーバックスから出版された北里大学名誉教授、山科正平氏の著書である。ブルーバックスは日進月歩する科学の分野を一般の人にもわかりやすく紹介するシリーズものである。「人体誕生」は直径わずか0.1ミリの受精卵が猛烈なスピードで分裂・増殖し37兆個からなるヒトになる。その過程をすべての見開きの片側のページにきれいなイラストを載せて、本文と合わせて一般人にもわかるように丁寧に説明してある。かつて学生時代に習ったけれどあまり興味を持てなかった「発生」が実にわかりやすく、当時この本があったらもっと興味を持って学習したことだろうと改めて思った。以前、順天堂大学教授、坂井健雄氏の「解剖学はじめの一歩」でも思ったことだが、優れた講義・解説は内容が難しいことをやさしく興味を持たせる力がある。「発生」も「解剖学」も医療職には必要不可欠のものであるが、無味乾燥な教科書では興味深いどころか試験があるので無理やり覚えなければならない鍛練のようなものになってしまう。それが山科教授や坂井教授の手にかかれば魅力的な講義、すばらしい本になる。「人体誕生」は歴史に残る名著ではないだろうか。