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休み明け

平成30年8月17日
お盆休みが終わり8月16日から診療開始したが、木曜日なので午前中だけである。例年、休み明けは患者さんが多いけれど、今年は特に多くて終了時間が大幅に遅れた。休みモードから仕事モードへの変換が急激だったので、いささか疲れたが心地よい疲れである。
今年は孫たちも帰ってこないので、かねてより訪れてみたかった鎌倉・箱根へ行ってきた。鎌倉は紫陽花の季節がいいのだろうが、まとまった休みが今しか取れないから仕方ない。養老孟司先生のお住まいを拝見することは望むべくもないので、鶴岡八幡宮などをベタに観光した。隠れ家的鮨屋「和さび」が予約できたのはラッキーだった。結局、横浜に1泊、箱根に2泊したが、箱根はレンタカーで回ってみた。例年正月に行われる箱根駅伝のコースも通ってみたがテレビで見ている風景そのままなのが面白い。圧巻だったのは「彫刻の森」で、特に「密着」という作品にはしばらく足を止めて鑑賞した。残念だったのは海抜1327メートルの箱根駒ケ岳にロープウエイで登って富士山を見ようと思ったのだけれど、雲と霧で真っ白になり何も見えなかったことである。宿は居心地が良くて温泉も食事も良く、久しぶりのリフレッシュできる休暇であった。

猛暑(続)

平成30年8月3日
このところ記録的猛暑が続いている。昨日は気温が40度に達した地域があったという。日中は外にいるだけで汗がふき出てくるので、エアコンの効いた室内にいるのが一番である。ところが昨日、待合室のエアコンが調子が悪くなって、冷気が入ってこない。業者の人に点検してもらったのだが、修理に2~3日かかるらしい。当院には7台のエアコンがあるが、待合室のエアコン以外は問題なく稼働している。急遽、扇風機を出したりして対応しているが、昨今の異常な暑さには難しいことである。
昨日、瀬野川のそばを車で通ったら洪水の後の修復の作業をしていたが、この猛暑の中頭の下がる思いがする。熱中症の対策はしっかりやっておかないと大変である。がれきを搬出するためのトラックもたくさん行き来している。ありがたいことである。
夏の高校野球が始まった。この猛暑の中、球児は大変である。いくら元気な高校生とはいえ、熱中症が多発する可能性が高い。そもそも暑い夏に大会を開く理由があるのだろうか。学校が夏休みという休暇を作ったのは、暑い夏はなるべく外に出ないでマイペースで行動しなさい、という意味だろう。それなのに、一番暑い日中に根性論のような練習や試合をさせるのはいかがなものか。自分も高校時代は夏の日中、部活でテニスをしていたが、今ほど暑くなかったような気がする。

ピル発売中止の混乱

平成30年7月5日
日本のピルの歴史は欧米諸国にくらべるとまさに理不尽と紆余曲折を経ている。いまから30年前に低用量ピルの治験が遅ればせながら我が国で始まり、安全性に問題がないことが認められたにもかかわらず、発売OKにならず10年間据え置きとなっていた。そのあとでバイアグラという副作用の心配な薬がどういうわけか簡単に発売可になった際、やっとピルも解禁になったのである。その後20年の間ピルは生理痛の緩和、子宮内膜症の治療、過多月経の治療、生理不順の改善などに大いに有用だった。もちろん避妊に対しては絶対的な信頼があった。特に1相性のピル(オーソM21、マーベロン)は連続内服ができるので便利で治療にも適していたが、オーソM21が保険薬になってしまった。その後マーベロンの後発品のファボワールが発売され、使いやすいので普及していて当院でも多くの人に薦めていた。
そのファボワールが発売中止になったのである。メーカーの説明によれば、2年以上経つと成分が許容範囲を超えて変化する可能性があることがわかったからで、もちろん現在まで健康被害もなければ効果に問題もないが、万一のことがあってはならないので一旦発売を中止するという。急に言われても替わりのピルのマーベロンは製造量が少なく回ってこない。それで3相性のピル(こちらの方が我が国では普及量は多い)に変更してもらっている。ピルを使用中の人には申し訳なく思うが、メーカーもちゃんとしてほしいと切に願う次第である。

第4支部会

平成30年4月20日
広島市の医師会は地域ごとに分けて組織されているが、自分の所属しているのは中区第4(袋町東)支部で、最も施設数の多い支部である。年に2~3回、親睦を兼ねた支部会が開かれ日頃は顔を合わせることのない会員同士が情報交換をするわけである。自分が開業した頃は周りは年上の人ばかりで、緊張しながら出席したものであるが、20年も経つと若い人たちが増えて、いつの間にか年輩者の側になってしまった。初めの頃は参加人数も多く、欠席すればかえって目立つようだったが、最近は出席者の方が少なくなっている。今回も出席者は20人に満たなかったので会員の4割ぐらいということになる。
他のところでは出席率も高く、地域活動も積極的に行われている支部もあるようだが、第4支部はビル診の施設が多いので流動性もあり、「地域のお医者さん」的なところが弱いようである。「地域のお医者さん」は自分の土地に診療所を建てて長いスパンで診療をするし、何代も続いているところもあるが、第4支部では新たに土地を求めて開業するのは無理なのでビル診以外での開業は難しい。その代り競争が激しいのでレベルが上がり、人気のないところは存続できないということである。

人工妊娠中絶とピル

平成30年3月9日(金)
我が国で約20年前にピルが解禁されるまで、人工妊娠中絶は多かった。それまでの避妊方法は、副作用の強い中用量のピルかリングぐらいしかなかったからである。リングも今のように避妊効果の高いものではなかったので、リングを装着したまま妊娠しているケースが見られることもあった。今は、副作用の少ない低用量ピルが使われるようになり、リングの避妊効果が高くなったこともあり人工妊娠中絶は減ってきた。
それでもやむを得ず人工妊娠中絶をしなければならない場合は、安全かつ不安のないように慎重に行っている。当院では9時に来院した場合は麻酔・処置後、昼に帰宅してもらい1週間後に異常ないことの確認を行う。その時に今後の避妊についての話をするが、ピルを希望される人も多い。ピルは避妊効果も高いが、副効用である生理痛や経血量の軽減、生理周期の安定など優れた効果があり、将来の妊娠のための調整にも有用である。
低用量ピルが解禁されてからずいぶんピルを処方してきたが、これからもピルの普及に努めていきたいと思う。

1年を振り返って

平成29年12月28日
診療は明日29日まで行う予定であるが、この1年を振り返ってみた。診療内容に関しては例年と変わらないが新患が増えていて、ここ数年この状態が続いている。
開業以来、一般的には行われているが、しなくても変わらないような検査や治療は、患者さんの精神的・身体的負担を減らすためにもやらずにこれたのはありがたいことであった。再診についても本当に必要な人だけに来てもらうができるだけ来院せずに済むようにして、検査の結果などは電話ですませるようにしている。それにしても生理不順を心配して来られる人の多いこと。特別な場合を除いてその人それぞれの生理周期は変えることはできないし、変える必要もないことをもっと周知すべきである。それを生理不順は不妊につながるなどと脅すから皆心配するのである。また切迫流産の薬は有用でないので出さないし、漢方も出さない。もちろん本人に薬が有効でないことを詳しく説明しても、それでも希望する場合は処方するけれど。考えてみれば自分は薬の処方量が最も少ない医者ではないだろうか。
ピルについては避妊のためにも生理痛を軽減するためにも、また将来の妊娠のために子宮・卵巣をいい状態にしておくためにもできるだけ勧めるようにしている。いずれにしても開業前からの診療の姿勢は一貫しており、ぶれずに来られたのは僥倖でありこれからもこのままやっていきたいと思っている。
皆さまありがとうございました。良い年を!

お盆明けは忙しい

平成29年8月18日(金)
当院は8月16日から診療を再開したが16日まで休みの医療機関もあり、中には今週一杯休みのところもあるので新規の患者さんがことのほか多かった。当院は希望者以外は予約なしでいつでも受け付けているので、問い合わせの患者さんから「予約しないでいいのですか?」とよく聞かれる。
あらかじめ食材の準備が必要な高級レストランではあるまいし、今困っている人を見るのが仕事なので時間内に来院された人は全員診察するようにしている。また、必要以上に再診しなくてもいいように、いつでも遠慮なく電話をかけてもらうように話している。検査の結果はもちろんのこと、ピルなど内服中に出血が起きたときなどにも問い合わせてもらえばいいのである。話を聞いてみて電話ですむことであればそれでよいし、来院が必要なら来ていただくが、実際には電話だけですむことが多い。患者さんも来院しなくてすむから楽だし、今すぐに診察・治療が必要な患者さんをそれだけ多く診ることができる。
このスタイルでずっとやってきているがこれからもこのままで行くつもりである。

 

産婦人科開業地図の変遷

平成29年7月14日(金)
袋町に産婦人科クリニックを開業して20年になるが、その間に周辺の開業地図にかなりの変化があった。高齢のため廃業した施設、開業を止め再び勤務医になった先生、病気のためやむなく閉院した施設、継承者がいなくて廃業した施設など、なくなった施設もあったがそれ以上に新たにできた施設が多かった。新規のお産をする施設はごくわずかで、増えているのはお産をしないビルクリニックばかりである。広島市とその周辺でざっと10以上の新規開業があり現在も増えている。個人でお産の施設を開業するのはじつに大変で、膨大な初期投資を回収するためにはたくさんのお産をしなければならないが、そうなると24時間休む暇がなくなるのでよほど精神的肉体的にタフでないとできない。
自分が病院に勤めていた時は夜お産で起こされるのがつらく、翌日は睡眠不足のために忙しい外来や手術をこなすのが大変だった。若く元気だったからできたのだが40歳を過ぎた頃からこのままでは体がもたなくなるだろうと思うようになった。幸い縁あってこの地にビル診を開業させてもらって夜お産で起こされることがなくなった。今もお産をされている施設には本当に感謝しているが、新規開業される先生方もきっと同じ思いなのだろう。この先どのような変化があるかわからないが、お産をする施設は最も大切なのだけれど過酷なため増えることは期待できないと思う。大切にしなければならない。

カルテ庫の整理

平成29年6月2日(金)
カルテを置く場所がなくなりカルテの整理を始めている。受付のとなりにカルテが1000人分(しっかり入れれば1500人分)入る棚が4つあり、そのうちの2つの棚は直近の人のために使うので、1000人分が一杯になったら古いものをカルテ庫にしまって新たに棚を空けねばならない。この作業は開業してからずっとやってきたことであるが、6000人を超えたあたりからスペースがなくなり別の置き場所に移すことになった。開業前には先輩から「カルテ庫と物置ははたっぷり取っておけ」と聞いていたので自分としてはそのようにしたつもりだったがやはり全然だめだった。現在カルテ番号は2万を超えているので、古いカルテは処分しないとどうしようもない。医師法ではカルテの保存期間は5年となっているが、いつ来られてもいいようにカルテはできるだけ長く保存しておきたい。それでもさすがに古いカルテは処分しなければスペースがなくなっている。電子カルテならスペースはあまり必要ないだろうが、紙カルテの方が一目で経過がわかり使いやすいので替える気はない。
古いカルテを見ていると、一度だけ来られて以後二度と来てない人や何年間か来られていてその後来てない人、いろいろ思い出されて感慨深いものがある。できればすべて保存しておきたいと思うのだが…。もちろんレセコンにデータは保存されているが、生カルテがなくなるのはつらいものである。

禁・長期処方

平成29年2月17日(金)
厚労省は昨年4月から、30日を超える薬の長期処方を制限すると通達を出していた。それまでは患者さんのためには長期処方を推奨していたにも関わらず何を思ったか一転、制限に移ったのである。もっと前は2~4週間処方しかできず、薬だけ取りに来られる患者さんが気の毒だったのが、長期処方が可能になってよかったと思っていた矢先の通達である。それでもすぐに締め付けることはないだろうと、少しでも長く処方するようにしていたのだがとうとう査定されてしまった。当院での長期処方は更年期のホルモン補充療法が主なもので、子宮内膜症に対するホルモン処方などもあるが、これらは毎月来院してもらって診察しなければならないものではないので長期処方していたのである。査定されると、薬局に薬の代金、調剤料その他全額を当院が負担しなければならない。当院は、患者さんに負担をかけまいとできるだけ来院回数を減らすために長期処方をするのだがこれでは完全に赤字である。これなら薬を自分で仕入れて患者さんにタダで配った方がマシである。
薬局は査定されても全額、処方した医療機関が保証することになっているので何の痛みもない。毎月薬局に通ってくれた方が売り上げは増えるわけである。こんな決定をする厚労省は本当に国民のことを考えているのだろうか。あまりにもアホらしくて頭に血がのぼったが、どう対処していこうかと思っている次第である。