桂枝雀「落語大全」

平成27年6月26日(金)
桂枝雀のCD版「落語大全」は全巻そろえていて何度も聞いているが、枝雀の若い頃、小米から枝雀になった頃から爆笑王と言われるまでのNHKラジオアーカイブ「桂枝雀落語選集」を手に入れて聞いてみると、その頃はいわば楷書の落語でそれなりに面白く聞いた。
普通、芸人は受けたネタはあまり変えずに演じるものだが、枝雀はどんなに受けてももっと面白くできないかと考えていたようで、いつも試行錯誤していたふしがある。最近手に入れたDVD版「枝雀落語大全」はCD版とは異なった収録で、弟子たちの話やゲストとの対談などもあり実に興味深いものであった。収録の日付を見れば同じ話でも以前の演じ方とどう変わっているかわかるし、工夫やとらえ方の違いがなんとなく感じられる。
枝雀師が亡くなる直前の頃の落語は別の意味で迫力があり、もし生きていたら今どんな落語を演じていたかと思うと残念でならない。