今日は誕生日

平成20年11月10日(月)
アステールプラザでの尺八演奏会が終わってホッとしている。なにしろアガっている上にライトが強烈に暑く、汗が流れ落ちるのがわかるほどだった。何箇所も間違えて、こういう時に日頃の練習がいかに大切か思い知るのである。
今日は誕生日。家族から「おめでとう」の言葉とささやかなプレゼントがあり、クリニックに行くと、スタッフ達が花束をくれた。ありがとう。ストレスがなくなったので昼間はのんびり診療して、夜は会合。そのあとしっかり飲んで帰宅したときはハイテンションだったようだ。ぐっすり眠って翌朝は気持ちよく目覚めた。健康に感謝である。

紅葉

平成20年11月4日(火)
11月になるとさすがに朝夕は寒くなってきた。先日、庄原へ行ったところ紅葉が始まっていて広島市内との温度差が感じられた。この時期、一昨年は臥龍山へ紅葉を見に行ったとこの日誌に書いている。日誌があると結構便利である。
去年はどうだったかというと、9月に京都を訪れていた。でもまだ暑さが感じられ、やはりこの季節に訪れてみたいと思ったようだ。確かに京都はこれからが一番風情のある季節である。でも今年は時間が取れそうにないし、この時期は観光客も多いから、人を見に行くことになってしまうだろう。京都在住の人の著書によれば、12月初め頃が紅葉も見られるし観光客も少なくて穴場の時期だそうだ。時間があれば行ってみたい。

ヒマな当番医

平成20年10月26日(日)
今日は広島市の産婦人科当番医なので日曜日でも一日開院している。前回が5月の連休の中日だったので5ヶ月ちょっとで順番が回ってきたことになる。いつもなら6ヶ月ちょっとなので廻りが早い。市内の産婦人科施設数はほとんど減ってないのになぜだろうか。
こんなことをグチるのも休日診療の日の患者さんが少ないからである。他科はそれなりにあるようだがわが産婦人科は本当に少ない。休日診療をする意味があるのかと同業の先生方といつも話すのである。今回はヒマな時間にCDがしっかり聴けたことがよかった。尺八から落語まで、お気に入りのCDをじっくり聴くことができた(泣)。いずれもすばらしい作品ばかりで、それぞれの芸を味わえたのは唯一の収穫であった。

尺八演奏会が近づく

平成20年10月20日(月)
尺八の演奏会の日が迫ってきた。昨年、初めて参加した演奏会であるが、なにしろ人前で吹けるほどの技量もないのにプロの筝、三弦との演奏である。どういう結果になるかは想像できるだろう。まさに冷汗三斗の状態であったが、こういうものは場数を踏まなければ上達もないので、今年も性懲りもなく出るつもりである。合奏していただくプロの演奏家の方々と、義理で来場される人たちには気の毒なことだが我慢してもらうしかない。
昨日、チケットを頂いたので呉まで尺八の演奏会に行ってきた。これはプロの演奏家三人によるもので、なかなかよかった。会場にはざっと300人ぐらい入っていて、結構尺八を聞きに来る人がいるものだと妙に感心したことである。斯く言う私も自分が始めるまでは興味はほとんどなく、そういう世界があることは関心外だったからわかるのである。どの世界もそうであるが、一旦入ってみると結構面白く汲めども尽くせぬ味があるものである。特に歴史に裏打ちされた伝統芸能は、知れば知るほど奥が深い。しばらくはこの世界を探求してみたいと思う。

初孫誕生!

平成20年10月14日(火)
11日に日付が変わった直後に長女が無事女の子を産んだ。両家にとってまさに初孫なので大喜びである。心配していたが母子ともに元気でこんなにうれしいことはない。今回しみじみと感じたことは、一人の子供の誕生には本人夫婦はもとより、それぞれの両親を始め同胞達の熱い想いがあるということである。自分達の子供の出産の時には思ってもみなかったが、その立場に立ってみて初めて自分達の親の気持ちがわかった。
かつてお産に携わっていた頃は、夜中に呼ばれた時などは正直つらいと思ったことである。でも、一人のお産の背後にはこれだけの人たちの想いがあることを実感すれば、つらいなどと言ってはいられない。その頃この実感があれば、家族の人たちにもっと気配りができただろうにと思う。いずれにせよ天に感謝である。

リハーサル

平成20年10月10日(金)
先日、11月に予定されている尺八演奏会のリハーサル替わりの稽古が某所で行われた。琴、三弦、地唄の先生方が東京から来られ、それぞれの曲を尺八と合わせて演奏するのである。自分の演奏を録音してあとで聴いてみると、プロの人たちがいかにすばらしいかということがはっきりとわかる。私の拙い演奏にも手を抜かず、きっちりと音を出していただいているのはありがたいことであるが、自分の演奏との内容の落差に愕然とする。
優れた演奏家は一つひとつのの音に細心の注意を払い、音のつながりを正確に、それでいて豊な表現を心がけているのだと思うが、自分のレベルでははるかに遠い目標である。まあ、あせらずにやっていこうと思っている。

長女の里帰り

平成20年10月2日(木)
長女がお産をするために家に帰っている。まだ時間がかかりそうで、毎日せっせと歩いているようだ。今までたくさんの赤ちゃんを取りあげてきたが、娘で初孫となると勝手が違って心配である。クリニックはお産を扱っていないので、友人の病院にお願いしているので大船に乗った気持ちでいるが、それでもこんなに気になるとは思わなかった。
かつて、勤務していた病院では我が子を取りあげたが、妊娠中もお産のときもほとんど心配しなかった。無事に生まれてあたりまえだと思っていたし、実際に安産であった。特に長男のときは、9ヶ月の末まで逆子で大きかったがなんとかなると楽観していたら、ぎりぎりで逆子が治り無事に生まれた。
心配しても仕方がないし、なるようにしかならないだろうが、家内のお産の時は義父母も同じ思いをしたことだろう。その頃は想像もしなかったことである。だれでもその立場に立ってみないとわからないということを、改めて感じたことである。

サナダ虫

平成20年9月26日(金)
寄生虫学の専門家である藤田紘一郎氏は、15年にわたって「サナダ虫」を自分の腸内に寄生させているそうだ。正確には日本海裂頭条虫でヒトの腸内に寄生し、体調10メートルにもなるという寄生虫である。わざわざ北陸から鮭を取り寄せて幼虫を探してカプセルに入れて飲み込んで寄生させたという。現在の虫は5代目か6代目だがこれにより体調もいいし、アレルギーが防げるそうである。なにより栄養を奪ってくれるのでダイエットにもなるという。
サナダ虫といえばかつて小豆島の病院に勤務していたときに、同僚の内科の医師が「サナダ虫に寄生された患者さんがいる」と言っていたことを思い出す。虫下し(なつかしい名前である、今はもう聞くことがないが)を飲ませて時間をかけて排出させたそうで、大学から標本にくれとの依頼があり、寄生虫学教室に渡したとのことであった。今から20年ぐらい前のことであるが、当時でもすでにこのような標本が手に入ることは稀だったのだろう。
藤田氏は、近年アトピーや花粉症などのアレルギー疾患が増えているが、どうも寄生虫をはじめとしていろんな細菌などを寄せ付けなくした「キレイ社会」が原因ではないかという。確かに一理あるが、では実際にどうしたらいいかとなると結構悩ましい。まさかアトピー患者に、回虫やサナダ虫の幼虫を飲ませるわけにはいかないではないか。

米騒動

平成20年9月19日(金)
我が国の存在の根幹をなしてきた「米」について情けない事件が報道されている。
弥生時代に始まった米作は、農地改革まで政治・経済の基本をなしており、我が国の貨幣の代わりとなっていて、各地の経済、生活、文化は「米」なくしてはありえないものであった。特に江戸時代の各藩の力は収穫される米の量である「石」で表わされ、加賀百万石などと称されてその力の指標となっていた。日本人にとっては「米」は特別な存在であったといえる。その「米」も戦後はずいぶん軽んじられるようになり、農業の衰退とともに脇に追いやられてしまった。それでも「米」には特別の思い入れがある世代もまだまだ多いのではないか。
今回の事件の原因は、上から下まですべてにわたっての責任感のなさである。まず政府・農水省は国際的な取り決めで米の輸入を割り当てられたとしても、汚染米はつき返すよう交渉すべきである。ここが一番問題である。次に、輸入米をろくに調べもせず、はやく目の前から米をなくして責任をなくそうとして、「○○フーズ」という会社(だれが考えても食材を扱う業者であり、この会社に売るということは、食材として流通することは明らかではないか)に引き取らせてしまった。さらに業者も汚染米で儲けようとマネーロンダリングのようなインチキをくり返し、安全な米として末端の業者に転売した。結局被害を受けるたのは知らずに買った業者と、消費者である。
お上の無責任が最も問題であり罪万死に値し、お上の関わった責任者にはきちんと責任をとらせないとこの国はますますダメになると思う。

乳房の自己検診

平成20年9月10日(水)
乳がんの自己検診について、ことあるごとに説明している。どう説明しているかというと「月に1回ぐらいでいいから入浴の際、石鹸をつけた手のひらで直接乳房を洗って下さい、そしてその感触がいつもと違うと思ったら受診してください」と。さらに「この方法で、検診を受けた場合とほぼ同様の乳がん発見率があるというデータがあります」と付け加えている。
これにより少しでも負担が減ることを期待してそうしていたのだが、上海で行われた大規模くじ引き試験では、自己検診群と放置群とで乳がん発見数が同じだったという報告があり困惑している。
乳がん検診群=自己検診群=放置群、これでは何もしない方が負担が少なくていいことになる。そうなればますますがん検診を勧めにくくなるではないか。大規模くじ引き試験で検診の有効性を示すデータがないものだろうか。