謹賀新年(平成30年)

平成30年1月4日
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日から診療開始である。4日が日曜日でない限り開始日は4日と決めている。今年は4日が木曜日なので半日だけだったが患者さんは多かった。
暮れの30、31日は久しぶりに友人夫婦と湯田温泉でフグを食べ久闊を叙す。帰りに唐戸市場で新鮮な魚を仕入れて帰宅し、年越しそばと共に味わい1年を無事に終えられたことを喜ぶ。明けて元旦は雑煮と岩惣のおせちで祝い、例年の如く帰省していた息子も一緒に自宅から歩いて護国神社へ初詣に行ったが、参拝者の行列の長いこと。夜は長女・孫たちも来て鍋を囲む。正月三が日はほぼ寝正月だったが、箱根駅伝も面白く十分リフレッシュできた。

1年を振り返って

平成29年12月28日
診療は明日29日まで行う予定であるが、この1年を振り返ってみた。診療内容に関しては例年と変わらないが新患が増えていて、ここ数年この状態が続いている。
開業以来、一般的には行われているが、しなくても変わらないような検査や治療は、患者さんの精神的・身体的負担を減らすためにもやらずにこれたのはありがたいことであった。再診についても本当に必要な人だけに来てもらうができるだけ来院せずに済むようにして、検査の結果などは電話ですませるようにしている。それにしても生理不順を心配して来られる人の多いこと。特別な場合を除いてその人それぞれの生理周期は変えることはできないし、変える必要もないことをもっと周知すべきである。それを生理不順は不妊につながるなどと脅すから皆心配するのである。また切迫流産の薬は有用でないので出さないし、漢方も出さない。もちろん本人に薬が有効でないことを詳しく説明しても、それでも希望する場合は処方するけれど。考えてみれば自分は薬の処方量が最も少ない医者ではないだろうか。
ピルについては避妊のためにも生理痛を軽減するためにも、また将来の妊娠のために子宮・卵巣をいい状態にしておくためにもできるだけ勧めるようにしている。いずれにしても開業前からの診療の姿勢は一貫しており、ぶれずに来られたのは僥倖でありこれからもこのままやっていきたいと思っている。
皆さまありがとうございました。良い年を!

緊急避妊ピルについての考察

平成29年12月23日(金)
最近、緊急避妊ピルを求めて来院される人が多いが、どの程度効果があるかは本当のところよくわからない。ネットなどでは大いに効果があるように書かれているが、実際のところ排卵・受精を少し多めのホルモン内服で確実に防げるとは思われない。50~80%は有効と言われているが、毎日飲む低用量ピルの有効率99%と比べれば失敗率は高い。フランスで開発されたRU486ならほぼ完全に着床を防ぐけれど我が国には入っていない。
何もしない場合、どのくらい妊娠するのか考えてみよう。簡便のため女性の生理周期を28日として、月経期間を7日間とすると妊娠可能期間は21日となる。この期間のうち妊娠する確率が高いのは排卵日とその前の7日間で、実際には5日くらいである。その5日間以外では妊娠しないわけだから75%は妊娠しないことになる。ところで妊娠率の最も高いと言われている排卵日にセックスした場合でも妊娠率は30~40%である。多めに見積もって5日間すべて30~40%の妊娠率として計算しても、21日間で考えれば妊娠率は7,5%~10%になるので10人のうち9人は薬を飲む必要がないことになる。だから緊急避妊ピルを飲んだから防げたと思っている人の中には、飲まなくても妊娠していない人も多いと思われる。安易な処方は慎まなければならない。

 

減り続ける本屋さん

平成29年12月15日
だいぶ前から新聞の書評などで興味を持った本は、アマゾンで買うようになった。本屋に行く時間が限られている上に、せっかく行っても目的の本がないこともあるが、アマゾンなら数日で確実に届くからである。今から20年前、開業した頃はすぐ近くに2軒の本屋があり(丸善と金正堂)それぞれ特徴があって昼休みによく立ち寄っていた。どこにどんな本があるか把握していたので変わった部分だけ確認すればよく、新たな本を見つけるのは簡単だった。基本的には丸善に行くが、金正堂には店主の意向を示したようなコーナーがあり、自分の趣味とも合っていて新刊を楽しみにしていた。近くに開業している本好きの先生ともよく顔を合わせ、情報交換したものである。
それから10年位の間に2軒ともなくなってしまった上に、別の店(積善館)も移転したため気軽に立ち寄れなくなった。丸善は天満屋のあったビルに復活したがここも昼休みに立ち寄るには少し距離がある。アマゾンは古書を含め何でもそろうが、やはり本というものは実際に手に取ってみないとわからないものである。立ち読みの楽しさは独特のものがあるので町の本屋さん減るのは困る。町の本屋さんが存続できるような制度・価格操作はできないものだろうか。

ひろしまドリミネーション

平成29年12月8日(金)
今年も平和大通りで光の祭典「ひろしまドリミネーション」が始まった。11月17日から1月3日まで大勢の人が見物にやってくる。今年は「子供のエリア」「水と氷のエリア」「太陽のエリア」「写真撮影のエリア」の4つをテーマにしているそうだ。140万個の光を使い幻想的な情景を描き出している。自転車通勤しているので帰りには平和大通りを通ることになるのでいつも見ることになるが、初めはきれいだと思っても毎日見ていると飽きてくる。人が多いので自転車通行が難しくなることもあり今は早く終わってくれないかと思うようになっている。
神戸のルミナリエは阪神淡路大震災の後の復興と鎮魂を目指して始まったもので、今年は12月8日から17日まで行われることになっているが、「ひろしまドリミネーション」はそのパクリのような気がする。しかも開催期間が長すぎる。交通渋滞の原因にもなるしいい加減にしてもらいたいと思う人もいるのではないだろうか。

年の瀬に増える会合

平成29年12月1日(金)
年末になると忘年会や同門会、その他会合が増えるのは例年のことである。今年はもう4件の忘年会・同門会があったが、最近ではこれらの会合は12月より11月の方にシフトしているようだ。会を主催する立場としては12月は忙しいからと配慮するのだろうが、そうなると11月の後半に集中するので何件もダブることになり、出席できない会も増えるし逆に12月の方が空きが多いことになる。
会にはアルコールがつきものであるが、ビール、ワイン、日本酒、焼酎などどれもおいしくいただけるのはありがたいことである。今年の夏は一時、胃の具合が悪くてあまり飲めないし食べられないことがあったがいつの間にか回復していて今では何の問題もない。元来アルコールに弱い家系で、生家にはアルコールというものがなかった。それが今では食事をおいしくするのに欠かせないものになっている。毎日晩酌が欠かせないのも健康あってのことで感謝である。

袋町第4支部忘年会

平成29年11月25日(土)
先日、地区医師会の忘年会があった。本通りを中心にしたこの狭い地区に50近い医院・病院がひしめき合っているが、日頃なかなか顔を合わせることがないのでこの集まりにはなるべく出席するようにしている。この日は他にも2件の会合が同じ時間にあり、どの会に出席するか迷ったが、結局第4支部の忘年会にした。出席者は20名余りで思ったより少なかったが、さすがに若い先生方が増えている。20年前に初めて出たときは自分が一番若い世代だったが、いまやもうベテランの年齢になってしまった。息子さんにあとを継がせて悠々自適の先輩や、後期高齢者になってもまだまだ頑張るという先生もおられ心強いことである。
20年の間には亡くなられた先生や廃業した施設もあるが、新たに開業した施設も多く袋町第4支部は最も変化の大きいダイナミックな地区だと思う。このような場所でやっていけるのは実にありがたいことであるが、いつまでやれるのかは誰にもわからないことである。

「ワクチン副作用の恐怖」

平成29年11月17日(金)
表題の本は、孤軍奮闘して医学界に警鐘を鳴らし続けている近藤誠医師の最新刊である。この本を知ったのは、医師たちの多くが入っているメーリングリストで例によって近藤医師の本を誹謗中傷する意見が多く見られたので、逆に興味を持ち取り寄せてみたからである。
以前から近藤医師は膨大な医学論文を検討したうえで、患者のためにならない検査・治療はすべきでないといい続けているが、大半は無視するか氏の主張を読まないで反論するかだった。かつて山本夏彦氏が「わかる人は電光石火わかるが、わからない人にはいくら話してもわかってもらえない」と述べていたが、そのとおりだと思う。近藤医師の言うことを認める医師は少なからずいると思うが、大勢はなかなか変わらない。ワクチンが有用だった時代は確かにあったが、現在の日本で果たして今の膨大なワクチンが必要なのか。副作用があってもそれ以上に有用なのかを本当にきちんと検討したうえで使っているのか、氏の本を読むとかなり怪しいと思われる。
ワクチンを世界中に広めるのはWHOの方針であり、WHOのバックには巨大製薬会社がついていることは周知のことである。我が国の医学界がWHOの方針に振り回されて、ワクチンの副作用による犠牲者を出すことだけはしないように冷静に考えてもらいたいと思う。

誕生日

平成29年11月10日
おそろしいことに誕生日が来てしまった。今日で65歳、前期高齢者、正真正銘の老人である。20年前に開業した時は44歳、まだまだ若いと思っていたが毎年、歳を重ねていつのまにかこうなってしまった。小さい頃よく聞いていた童謡に「村の渡しの船頭さんは今年六十のおじいさん、歳はとってもお舟をこぐ時は、元気いっぱい櫓がきしむ、それぎっちらぎっちらぎっちらこ」という歌があったが、何の疑問も持たず六十歳はお爺さんだと思っていた。いざ自分がその歳になってみると、周りは元気な人ばかりで昔と比べれば10年は若返っているように思う。つまり、今は55歳で前期高齢者になるのはあと10年かかると思えばいいわけで、そのほうが幸せだろう。
寿命というものはどうしようもないもので、人は病気で死ぬのではなく寿命で死ぬのである。どれだけ健康に気を付けて節制していても病む時は病むのである。現状を肯定して一日一日を大切に生きるしかない。今この瞬間に感謝である。

 

18時開演

平成29年11月2日(木)
今、手元に「18時開演 TKURO YOSHIDA」という3枚組のCDとおまけのDVD1枚のアルバムがある。平成21年に吉田拓郎が4回だけステージ活動を行った時の東京でのライブ収録盤である。最初から最後まで一切カットなしで録音されているので、まさにライブ気分を味わえる貴重なアルバムになっている。偶然手に入れて時折聞いているがその度に青春時代に拓郎の音楽に熱中していた頃のあれこれを思い出す。
高校時代に、ラジオの深夜放送で聴いた曲をすぐにギターで再現しようとしたり、テープレコーダーに録音して何度も聴いたりしたものである。「旅の宿」「結婚しようよ」などはギター譜を手に入れて同じように弾き語りができるように練習したものである。今からみれば結構ガキっぽい歌詞の曲もあったが、当時は心底傾倒していた。今回のライブ盤では会場から自分と同じ年代と思える人たちの「拓郎コール」が聞こえて、伝説の中津川フォークジャンボリーを彷彿させる雰囲気が伝わってくる。吉田拓郎の歌もしゃべりも当時とあまり変わらず、すばらしい才能の持ち主であることがうれしい。