日付別記事一覧 2025年12月19日

「医者が言わないこと」

令和7年12月19日
表題は故・近藤誠氏の著書である。偶然本屋で見つけたので読んでみた。内容は氏が一貫して説いていたことなので、特に目新しいものはなかったが、発行日は2,022年7月5日である。氏が仕事場に出勤途中に心筋梗塞のために亡くなったのは、その年の8月13日である。最後まで氏は医療による患者の不利益を無くすことに身をささげているように思われたが、氏を慕って集まってくる患者のために残された人が、H.P.を更新して患者さんの命を支えるよすがとなっている。
氏と共著も出している和田秀樹医師もほぼ同じスタンスで、多くの出版とネット配信をしている。週刊新潮にコラムを連載している里見清一氏は腫瘍内科医師で、氏のコラムは面白いのでいつも読ませてもらっているが、近藤氏へのスタンスは「初めの頃はよかったが、支持者に祭り上げられて現代医療の否定者になってしまった」「現実との乖離が見られるようになった」と否定的である。
現代の医療を俯瞰すると、がんの治療と老化への治療は本質的に難しいので、ベースの考え方は近藤理論であるが、必要な対処は有効なものは行ったほうがいいと思う。これは永遠の課題なのかもしれない。