日付別記事一覧 2025年11月7日

「犬と自然は生涯の友」

令和7年11月8日
表題は内科医院を営む傍ら、愛犬を愛し、自然を愛し、人生を深く楽しんで生きてきた永山巌医師が80歳を迎え、医院を息子に譲り(週1回の診察もやめて)完全隠居となったのを期に、自分の来し方をふり返った自伝である。偶然本屋で見つけ、面白そうなので購入して読んでみた。
著者は6人兄弟の5番目で、弟が1人と兄が3人、姉が1人いて弟と特に仲が良く兄も弟も優秀で羨ましく思っていた。著者が高校2年生の時、公務員の父が居眠りトラックにはねられて亡くなった。1浪して東北大学法学部に入学したが肺結核になり2年間休学、治ってから復学したあとは特別奨学金と家庭教師で仕送りなしの学生生活を送った。この時が人生で最も苦しかったそうだが、卒業後全日空に就職して仕事が面白くなった頃、知人の紹介で見合いをして最愛の妻を得る。子供たちも生まれ順風だったころ、医学生だった妻の兄が病気になり回復の難しい状態になった。栃木県で内科医院を営んでいる妻の親は、跡継ぎになってほしいと頼んできた。一度は断ったものの、熱意に負けて医学部に入学して医師になり、学位を取り義父と一緒に仕事を始めた。このころ養子になって永山家を継承することにした。
結婚して大好きだった犬を飼い始め、全日空時代に誘われて始めた山登りも再開した。また結核で入院していたころに本で始めた囲碁も頑張った。休日は渓流釣りに情熱を燃やし、山小屋を建てて渓流釣りの拠点にしたり、アウトドアと囲碁でバランスよく楽しんだ。猛禽類を撮影することにも情熱を傾けた。
75歳の時、永山医院を次男に継承して週1回だけ診察していたが、80歳になり完全引退、山登りと渓流釣りと囲碁は現役で続けている。素晴らしい人生で読んでいるだけで楽しい。まさに人生の達人である。