月別記事一覧 2025年3月

緊急避妊ピルについて

令和7年3月28日
以前から何度も書いているが、緊急避妊ピルを求めて来院される人が多い。ほとんどの人は「性交後48時間以内あるいは72時間以内」なら効果があると思っているようである。なぜ効果があるか説明を受けていない人がほとんどである。それは、排卵前に飲むことによって排卵を遅らせるか抑制することで妊娠を防ぐのである。性交後1時間もすれば精子は卵管に到達している。そこで卵子が出てくるのを待つわけである。そこへ卵子が来れば精子は卵子を取り巻いて入ろうとするわけである。卵子は排卵して1日以上たてば受精できなくなるので、精子が待っていないと妊娠できないわけである。
性交時に排卵が終わって1日以上たっていれば内服する意味はないし、排卵が1週間以上先なら妊娠しないので飲む必要はない。排卵前の1週間の間に性交した場合だけが有効なのである。
排卵日でも妊娠率は25%なので4人に1人しか妊娠しない。緊急避妊ピルを飲むことで妊娠率が10~15%になるに過ぎないのである。なかなかいい方法はないのだ。その割に値段が高い。通信販売もあるようだが利用者に聞いてみると高い値付けをしている。薬局で売ることにする話もあるが、飲む必要のない人も買うだろうから賛成できない。避妊に最もいいのはやはり毎日飲む低用量ピルである。

春が来た

令和7年3月21日
昨日は春分の日、暖かさが少しずつ増してきて今日はもう春のようである。梅は満開でもう散り始め、桜の開花が待ち遠しい。
先日、チケットを頂いたので崇徳中学高等学校グリークラブの定期演奏会に行ってみた。崇徳高校の男声合唱団は以前から有名で、素晴らしい演奏を聞かせてくれていた。以前にも一度聴きに行ったことがあるが、今回は女声も入っているのに驚いた。女声があるほうが音の広がりはいいのだが、男声だけの荒々しさ、繊細さはわからなくなる。でも、女声だけのステージ、生徒企画ステージ、広島オルフェン賛助ステージなど盛りだくさんの企画で充分楽しませてもらった。圧巻は卒業生合同ステージ(男声合唱)の組曲「月光とピエロ」だった。この曲を初めて知ったのは40年以上前の大学合唱団に所属していた時で、セカンドテナーで歌ったのである。作曲者清水修氏の重厚なハーモニーは学生たちの心を捉え、今でもステージに載せられている。
久しぶりに生の男声合唱を聞き、春のいいひと時を過ごせた。

三寒四温

令和7年3月13日
3月に入るとさすがに暖かくなってきて梅のつぼみもほころんできた。日曜日、某所にむさしの弁当を携え梅見に行った。天気が良かったので寒くなく、7分咲きの紅梅・白梅を楽しむことができた。梅見の場所はいくつかチェックしていて、時に応じて楽しむわけである。梅が終わると桜の季節で今から楽しみである。
2月は寒かったので自転車通勤がおっくうになり、カミさんに送ってもらうことが多かった。自転車に比べると実に楽で、帰りはバスを使うが自宅近くに停留所があるので快適だ。中央通りから乗るのだが、自分の乗るバス以外は混んでいて大変そうだが、大学病院行きはいつも座れるのがありがたい。このところ自転車通勤は週1~2回になっているが、暖かくなったらまた復活したいと思っている。毎日歩数計をチェックしているが最近は3千~5千歩くらいしか歩いていない。休日はできるだけ歩くようにしているが、なかなかはかどらない。困ったものだ。

「コロナワクチン後の世界を生きる」

令和7年3月6日
表題は新潟大学医学部名誉教授で、循環器専門医、数々の重要な仕事を歴任してきた岡田正彦氏の新刊である。新型コロナが日本で流行するようになったころ、氏の勤務する介護施設にいた認知症の高齢女性がコロナによる肺炎で死亡した。施設での感染者は18名に及んだが、厚労省は以後亡くなった患者さんがPCR陽性なら死因はすべてコロナが原因だとするように通達した。このことに疑問を持ち、氏のホームページを「新型コロナのエビデンス」と改名し、最新情報を毎日更新した。2,021年初頭、新型コロナワクチンが登場してからはワクチンに絡む疑惑を中心に更新した。
世界中の論文を読み込み、信頼できるものをわかりやすく説明し、疑問点も提示し、多くの人が目に止めるようになった。コロナが2類感染症でなくなってからも更新していて世界中の研究成果を提示している。日本でのコロナ対策が正しかったのか、間違えていたのならどこに問題があったのかなど、新型コロナ感染の総括をすべきなのにだれもしない。特に厚労省が先頭に立って行うべきなのに。マスコミも毎日怖いぞと煽りまくった反省もない。厚労省の委員会も当たらず触らず、何の意味もない予防・治療を薦め、飲食店をはじめ社会が大きく傷を負った。欧米のメガファーマはワクチンを売りまくり巨額の利益を上げた。
岡田氏の今までの新型コロナの経緯を冷静に分析してまとめたこの著書は、まじめで能力の高い学者が信頼できる論文や各国の発表などを冷静に真摯に分析し、わかりやすく教示してくれている貴重な著作である。
氏のような人がいると思うと、まだまだ日本は大丈夫だと思える。ありがたいことだ。