月別記事一覧 2024年9月

やっと秋が来た

令和6年9月27日
今年は9月になっても猛暑日が続き、昼間は35℃を超える日が多かった。秋の気配が感じられたのは秋分の日が初めてだった。山口県のときわ公園までドライブし、弁当を仕入れて園内の屋根のあるベンチで食べたが、風もあり結構快適だった。それまでは日中暑すぎて、外で食べようとは決して思わなかったから、やはり秋が来たのだろう。それにしても遅い秋である。今週も昼間は30℃以上になっているが、さすがに朝夕は涼しくなってきた。夜もクーラーなしで過ごせる。今年は春も短かったが秋も短いのではないだろうか。「豊穣の秋」「天高く馬肥ゆる秋」という言葉があるが、これらが死語にならないか心配である。
地球温暖化がいわれているが、自然の前には人間なんて弱いものだ。恐竜の栄えた時代や氷河期など地球の環境はどう変わるかわからない。地震、台風、洪水などには何もできないのが人間である。だからいっそう短い秋を慈しみたいものである。

「投資依存症」

令和6年9月19日
表題は経済アナリストの森永卓郎氏の近刊(9月16日発行)である。今、我が国は新NISAなど、税府が推奨して老後のための資金を増やすような政策をしているが、森永氏は「投資の本質はギャンブルだ。必ずバブルは崩壊する。せっかく貯めた預貯金が紙くずになってはいけないから、投資に回さず、投資に回している人は早くひきあげなさい」と語っていて、17世紀から現在までの世界中のバブルがどうなったかを例に出して説明している。現在の日本を含めた世界中の株式投資はバブルになっているので手を出さないように、と説いている。
氏はすい臓がんの末期と診断され、身辺整理を済ませ本音の著作を発表してベストセラーとなり、この本が4冊目である。以前にも紹介したが「ザイム真理教」「書いてはいけない」「がん闘病日記」はいずれも面白く、こんな人にはもっと生きて我々を啓蒙してもらいたいものだと思った。
私事であるがずっと昔、勤務医だったころ一度だけ株に手を出して損をしたことがあり、自分は株式には向かないので2度と手を出すまいと決めていた。1度だけ東電の株が大下がりした時、信頼していた日垣隆氏のメルマガで「東電を買うのは今しかない」の言葉にグラッと来たが止めといた。もしあの時買っておけば…と思わないでもないが。今では何もしないでよかったと思っている。

開院27周年

令和6年9月13日
平成9年の9月10日に開院して27年周年、28年目に入った。一日、一日を繰り返しているうちにあっという間に過ぎてしまったというのが実感である。初めの頃はまだ若いし元気だったので、できることは何でもやってみたが、次第に一番有用で合理的な診断・治療法に落ち着いてくる。患者さんの負担をできるだけ少なくするように考えて、必要な検査のみ行い、検査結果などは電話で済ませるようにしている。結果だけを聞くためにわざわざ来院されるのは気の毒だからである。異常がある場合は来院するようにお話しするが。また、予約制にせず、困ったらいつでも来院できるようにしている。手術など予定しなければならないものは別であるが。
この27年で変わってきたことは、まずピルが解禁されたことである。それまでは副作用がやや多い中用量のピルしかなかったが、副作用の少ない低用量のピル(海外ではずっと前から使われていた)のおかげで多くの女性が生理痛の緩和、避妊、生理周期の安定などが可能になった。さらに超低用量ピルも使えるようになり、この分野がやっと欧米なみになった。
次に診断機器、経腟超音波の解像度も進み、産婦人科診療には必須となっている。また、無床診療所でも人工妊娠中絶が行えるようになったことも大きなことであった。それまでは入院施設のある病院でしか行えなかったので、資格を持っていても患者さんに頼まれても行えなかったのである。
これからも変わって行くことはあるだろうが、日々真剣に診療していくことだけは変わらないと思う。老いていくのは仕方ないが頑張っていきたいと思う。

最近の読書

令和6年9月6日
以前は本屋で興味を引く本を見つけたらすぐに買って2~3日のうちに読んでいたが、最近ではすぐには読まないで「積んでおく、つんどく」が増えてきた。新聞や週刊誌の書評欄で見て取り寄せることもあるし、先日は養老孟司氏の「虫展」で陳列されていた「虫は人の鏡」も買ったし、「ホキ美術館展」で見つけた画家・野田弘氏の「写実を生きる」も買ったがまだどちらも読んでいない。こうして「つんどく・積読」が増えていくのである。
嵐山光三郎氏の「老人は荒野をめざす」も三分の一くらいしか読んでないし、青山透子氏の「日航123便墜落の新事実」も読みかけである。昼休みに一人で食事に出るときは、たいてい本持参であるがそんなに読めるものではない。でも手持無沙汰の時は活字がないと落ち着かないので、何かしら読んでいる。たとえマンションの広告でも目で追うのである。忙しい時ほど読みたくなるもので、以前はすごいスピードで次々と読んでいたものだ。本屋へ行くと、つい買ってしまうのでこれからも積読が増えていくんだろうな。