平成30年9月13日
岡山大学産婦人科の鎌田泰彦准教授による表題の講演があった。黄体ホルモンは妊娠に欠かせないホルモンであるが、妊娠以外にはあまり役に立たないようである。むしろPMSの原因となっていることもあり困った症状が出ることもある。講演後フロアから「黄体ホルモンは妊娠と子宮保護以外では有用でないのか」との質問に否定はされなかった。子宮保護とはエストロゲンによる子宮内膜の肥厚に対して妊娠しなかった場合は月経で元に戻すための役割のことで、妊娠に関連しているともいえる。
ホルモンに関しては未知の部分がたくさんあり、他にもなにか重要な働きもあるのだろうと思う。生物の仕組みで無駄なものは一つもないはずで、無駄なものを抱えたまま種として生き残れるはずがないからである。地球上の生物は環境に適応したものだけが生き残っているわけで、現在生きている種の背後には数限りない滅びた種がある。
生物学と密接な関係にある医学は未知な部分が多く、今の治療が絶対に正しいのではなく、わからないことが多い中で最善をつくすのだという気持ちを忘れてはならないと思う。