月別記事一覧 2018年2月

めぐり合わせ

平成30年2月23日(金)
車に関しては不思議と買った車種が製造中止になることが多かった。初めは研修医になってすぐに買った中古車で三菱ギャラン・ラムダ、金がないので頭金なしで24回分割払いだった。次に買ったのは自分にとって初めての新車、日産ブルーバード・マキシマV6ターボだったが5年で故障したので次は日産マキシマ3000㏄にしたが、これも5年で調子が悪くなった。以上の車種はいずれも早いうちに製造中止になっている。次は製造中止にならないことをディーラーに確かめて買ったトヨタ・アバロンだが、なんと買って半年もたたないうちに製造中止になった。いい車だっただけに残念だったが長く快適に乗ることができた。
買ったとたんに製造中止になるということは、人気がない車種だということになる。今はクラウンに乗っているのでまさか製造中止になることはないだろうと思うが、レクサスにとってかわられるかもしれない。車以外にもテニスの会は参加して数年で発展的解消になったし、以前所属していた尺八の会は主催者が亡くなって会そのものの活動がなくなっている。こういうのは単なるめぐり合わせなのかと考えることがある。どうなのだろうか。

「旅する力」

平成30年2月15日(木)
表題はノンフィクション分野で活躍している作家、沢木耕太郎氏の長編エッセイである。かつて氏の名作「深夜特急」をワクワクしながら読んだことを思い出して読んでみた。「深夜特急」は氏が20代の時にインドからパリまでバスを乗り継いで行ってみようと思い立ち、その行程を記した青春記とも言うべき著作であるが、なぜ氏がそのようなことをしようと思ったのかなどが詳細に書かれていて、腑に落ちるところが多かった。体力と気力の充実した若い頃に知らない土地を訪ねて見分を広めるのは素晴らしいことで、まさにその時しかできないことである。中学生の頃に読んだ小田実氏の「なんでも見てやろう」という本も、外国に行くことが難しかった時代にフルブライトの特待生でアメリカに留学して世界を回ってきたことを書いたものだが、当時は別の世界のことのように感じたものだったが、「深夜特急」は大人になってから読んだので共感するところが多く、実に楽しめた。
氏の初めての旅は小学校3年生の時、遊びに行って食事をごちそうになった友人の家で、「マツザカヤへ行くことになっているので」と母親に言われて家に帰ったけれど「マツザカヤ」というところへ自分も行きたくなって、わずかな小遣いを持って駅に行き人に尋ねながら「松坂屋」にたどりついたことだった。それ以来、中学・高校・大学時代に様々な旅をしてきたことを読むと、「深夜特急」に行きつくのも当たり前だと思ったことである。その時にしかできないことをするのはすばらしいことである。

オープンカンファレンス

平成30年2月9日(金)
広島市民病院産婦人科のオープンカンファレンスが開かれ、婦人科主任部長の最終講演があったので参加してきた。まず放射線治療科の松浦寛司主任部長による「知っておいていただきたい放射線治療~子宮頸がんと転移性骨髄圧迫」と題しての講演では、世界と我が国の子宮がんに対する治療法の違いを示し、放射線治療の優れた点などを詳しく説明して実にわかりやすかった。我が国は放射線治療が欧米に比べて遅れていて、手術優先だったのがさすがに少しずつ変わっているようである。
婦人科の野間純主任部長による「当科で行うMinimally Invasive Surgery」と題した講演では、腹腔鏡手術がどのように始まってきたのかという歴史から広島市民病院での手術実績を提示して、従来の開腹手術から体にかかる負担を最小限にする腹腔鏡手術に替わってきている状況を示した。子宮筋腫、卵巣嚢腫、異所性妊娠などに対する腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に比べて侵襲の少なさ、回復時間の短縮や美容上の観点からも優れた方法である。子宮頸がんについても同様だが、問題は技術習得が難しいということだろう。子宮頸がんの手術は開腹でも難しい手術であり、腹腔鏡では一層難しい。誰でもできるというわけにいかない。広島市民病院の4800例の腹腔鏡手術件数の蓄積の上に成り立っている技術である。そのエキスパートの野間主任部長が定年で辞めるのは残念なことであるが、この病院のレベルの高さを改めて認識したことである。

あたりはずれ

平成30年2月2日
ミシュランと双璧をなす食のガイドブック、「ゴ・エ・ミヨ」の最新版を手に入れた。東京、北陸、瀬戸内(岡山、広島、山口)のおいしい店を紹介しており、結構知った店もあったので早速行ってみた。宮島口、桟橋の近くにある「宮島ボッカ アル・ケッチアーノ」は山形を代表するイタリア料理店「アル・ケッチアーノ」の奥田シェフが手がけた店で、山形と広島の食材を取り入れた味も値段も納得できる良い店だった。まだできて2年目だそうであるが、そのうち予約が取れなくなりそうなので今のうちに行っておかなければと思った次第である。
「ゴ・エ・ミヨ」に載っている店で金沢、福井、岡山にも行ったことのある店があり、いずれもよかったので広島市内の某料理店に行ってみた。この店は以前、開店して間もない頃一度行ったことがあったが、可もなく不可もなしといった印象で、あまり好みでなかったので以後自分のリストから外していた。それが今回、結構いい店として載っていたので予約して行ってみたが大外れだった。まずアルコール類の値段が高く、居酒屋風のカウンター料理屋の中では最右翼だろう。料理も普通で1時間以上客は他にいなくて、あとから2組の客が入ってきたがいずれもガイドブックを見てきた若いカップルのようだった。
ミシュランにせよゴ・エ・ミヨにせよ当たりはずれがあるのは仕方がないが、今回は自分で昔リストから外していただけに一層残念だった。