平成28年6月30日(木)
院外薬局が隆盛をきわめているが、以前は医者にかかるとその医院で薬を出してもらうのが普通であった。なぜ今、医院で薬を出さなくなったのか不思議に思う人も多いだろうが、これは厚労省が医療費を抑えるために行った政策のせいである。
以前は、薬はそれぞれの医院が製薬会社から購入して患者さんに出していたが、仕入れ値と薬価に差額があり、それが医院の収入の一部にもなっていた。ただし、在庫などの問題もありわずかな収益しかなかった。ところがお役人たちは、薬の使用量が増えているのは医者が差額を儲けるために必要以上に出しているせいだと考え、薬品メーカーに仕入れ値を安くしないよう通達を出した。さらに院内で薬を出すより院外処方箋を出す方がわずかに有利になるように決めた。医者たちは院内で薬を出すと赤字になるので、仕方なしに院外薬局に薬をゆだねることにしたのである。
ところが日本のお医者さんたちはまじめな人が大半で、薬の処方量はほとんど減らなかったのである。つまり、儲けるために余分な薬を出す医者は少なかったので医療費の抑制にならなかった。優秀なはずのお役人たちは大きな間違いをしたわけである。そして誰が得をしたかといえば、製薬会社の一人勝ちになったのである。製薬会社は卸値を下げる必要がない分、丸儲けであり、医者に接待をしてはならぬという通達のため経費がかからない。今日の新聞に某製薬会社の社長の役員報酬が9億円と書いてあったが、うなずける話である。また、院外薬局を増やすための優遇政策により院外薬局はコンビニ以上に増えた。そして一番割を食っているのが患者さんである。患者さんの多くは院内で薬をもらった方が楽だと思っているのに処方箋を持って院外薬局に行かなければならないのである。
このような愚策を行った厚労省は責任を取るべきではなかろうか。
月別記事一覧 2016年6月
医薬分業の功罪
梅雨
平成28年6月24日(金)
このところ雨の日が続き市内でも避難警報が何度も出るようになった。今週になって二日間、深夜にスマートフォンのけたたましい音に快適な眠りを中断されたが、増水による河川の氾濫を警戒したものであった。この時期は雨が降るのはあたりまえだが、それにしても降り過ぎである。
梅雨時になると思い出すのは小学生の頃の「田植え」である。自分を含め同級生はほぼ全員農家の子供だったので、梅雨になると一斉に田植えを行う。今のような田植えの機械はないので、近所同士が手伝いあって一株ずつ手で植えて行くのである。小学生といえども貴重な働き手であるから、小学校は農繁休暇ということで何日間か休みになる。田んぼの泥の中にくるぶしまで埋まりながら田植えをするのは結構つらいことだった。いつの間にかヒルに血を吸われていることも多く、数少ない農家以外の子供がうらやましかったものだ。さすがに中学時代は農繁休暇はなかったが、稲刈りは手伝っていた。当時はあまりうれしいことではなかったが、今では四季を体で感じることのできた貴重な子供時代だったと思う。
藤原教授の講演
平成28年6月17日(金)
「腫瘍と生殖医学における手術アプローチ法の相違点ー生殖機能の再建を目指してー」と題して金沢大学産婦人科、藤原浩教授の講演があった。初めに子宮癌の手術の映像の供覧があり、表題との関連がよくわからなかったが、妊孕性の保存の観点からその意味がはっきりしてきた。受精する場所は子宮の裏側、腸に邪魔されない場所で行われるので腹膜を傷つけないことが肝要でありそのために手術方法を工夫すること。子宮内膜症による癒着がある場合は丁寧にはがし、内膜症組織を取り除くことにより生理痛は改善し、妊孕性も保存されること。受精と着床にかかわる内分泌と免疫の関係では、これらが複雑に絡み合って妊娠が成立することを仮説も含めて腑に落ちるように説明された。
生物学は実に奥の深い学問でわからないことだらけであるが、様々な面からのアプローチにより現在の生物学・医学が成立している。医学は病気を治すために仮説に基づいた治療を試みざるを得ないところがあり、そのために治療がうまくいかないことがある。でも、目の前に病んでいる人がいたら何とかしてあげたくなるのが人情だろう。不完全なことを承知で、負担のかからない意味のあると思われる治療を試みるしかないのが現実である。そのことを改めて思わせてくれた講演であった。
行きつけの店
平成28年6月10日(金)
料理をおいしく食べるために欠かせないのが酒であるが、晩酌をするようになったのは開業してからである。開業前は夜はお産で呼び出されることもあり、元来アルコールには強くないのであまり飲まなかった。開業後は次第に食事内容がつまみ中心になり、ビール・日本酒がおいしくなってしまった。
飲み(食事)に出るときは鮨屋・居酒屋が多くなり、せっかく行くのならおいしい店にしようと試行錯誤ののち、現在の状態に落ち着いている。平成22年からは行った店はほぼ記録することにしているが、2回以上行ったのは80軒ほどあり、その中で何度も訪れている行きつけの店は20軒ぐらい、鮨屋・魚の旨い料理屋・居酒屋・蕎麦屋・焼き肉店・天ぷら屋・イタリア料理店などが多い。初めは良く通っていたけれど次第に行かなくなったり、気に入っていたのに店がなくなったために行けなくなったり、いろいろ変遷はあったが今はだいたい固定している。それでもいい情報が入るととりあえず行ってみるようにはしている。思わぬ「当たり」の店に出くわすこともあるからである。
尾道・福山にも何軒か行きつけの店があるが休日の昼しか行けないのが残念である。いずれの店も一度は夜行って腰を落ち着けてアルコールと共に料理を楽しんでみたいと思っている。
ウオーキング
平成28年6月3日(金)
腰痛のため週1回のスポーツクラブのテニスもできなくなり、体を動かしたくて仕方ない時は歩くようにしている。元来、健康には自信があったのだが、自分には向いてないゴルフの練習のし過ぎから腰痛になり、二度とゴルフはしないと誓っていた。ところが、のど元を過ぎればのことわざもあるが、ゴルフ自体が面白いスポーツなので再開しようとしたら一層腰を痛めてしまった。この学習能力のなさはニワトリ並みだと自嘲しつつ今は歩くことだけが唯一の運動になっている。情けないことであるが仕方がない。
先日は比治山に登り、京橋川沿いに北上して二葉の里から常盤橋を渡り白島から川沿いに南下、カノーバカノーバでランチを食べて帰宅、合計12キロ歩いたことになるがこれぐらい歩くと少しは運動したかなという気持ちになる。京橋川の東側遊歩道には泰山木の白い花が咲いており、実に気持ちがよかった。自転車通勤は続けているがそれとは別に、なるべく歩くようにしたい。