平成27年6月19日(金)
表題の著者遠藤氏は、昭和33年に慶応義塾大学を卒業後三井物産に入社してアメリカに13年、中国に10年、ビジネスの責任者を歴任し、定年退社後は香港の華僑グループのサポートをしているいわばグローバル商社マンである。アメリカでの仕事を通じて得られた経験と中国での経験の両方から、それぞれの国の人となり・特徴を記しており興味深く読んだ。
中国人とアメリカ人は似ている点が多いという。それは「集団より個が原点、自己中心主義」「大局を語るが力点は短期の利害」「オープンでアバウト、後悔しない」「自己主張、自己弁護がうまい」「左手で殴りながら右手で握手できる」「人生は楽しむものと考えている」などで日本人とはずいぶん異なっているようだ。日本の良さは、社会秩序がしっかりして安全で平等な国であること、技術・工業力も高く、精神文明面でも抜きんでた静かながら一体感のある社会を作り上げていることである。ビジネスでの彼らとの折衝ではもっと自己主張をするべきだが、結局は「人となり」であるという。自分の経験したことのない世界の話なので、面白く読ませてもらった。