月別記事一覧 2014年7月

奈良国立博物館

平成26年7月25日(金)
久しぶりの移動可能な連休だったので、奈良国立博物館の特別展「醍醐寺のすべて」を見に行くということで計画を立てた。まず和歌山にいる息子のところを訪ねてから夕方、奈良に行くことにした。彼の入学以来、紀三井寺を訪れるのは5年ぶりである。大学と附属病院を案内してもらい、おすすめの店でおいしい昼食、和歌山城見学まで付き合ってくれた。夕食は奈良唯一の三ツ星「和やまむら」が偶然予約できたのでカウンターで食したが、胃の調子があまり良くなく日本酒が飲めなかったのは残念だった。
翌日は涼しいうちに春日大社を散策し奈良国立博物館へ。特別展は、国宝と重要文化財がこれでもかというほど展示されており、世界文化遺産にも指定されている醍醐寺の歴史に圧倒された。三条通りを歩いていると「うなぎ川はら」ののれんが見つかり、久しぶりのうなぎに舌つづみ。あまりに暑いので奈良公園の木陰で一休みしたが、風がよく通って心地よく思わず眠ってしまった。夕方、京都伊勢丹で菱岩の弁当を受け取り新幹線で帰広。弁当は菱岩が群を抜いていると思う。このところ予約すらできなかったのが、久しぶりに手に入ったので日本酒とともにおいしくいただいた。いい旅であった。

広島市の産婦人科救急医療

平成26年7月18日(金)
自分のところのような病床を持たないクリニックで緊急を要する患者さんを認めた場合、ウイークデイの午前中なら入院・手術のできる近くの病院に連絡して診てもらうことはよくあることである。問題は、夕方や土曜日である。特に土曜日は病院の外来は休みのところが多く、医師の人数も少なくなっていて、どの病院に頼もうかと悩む。
広島市内には新生児ICUのある総合病院が4施設、手術を含めて受け入れ可能な病院が5施設、お産のできる病院・医院が13施設、入院のない外来のみの医院が30施設ある。わが医院もこの30施設の一つであり、とりあえず入院して様子を見るというわけにいかないので、はじめの悩みになるわけである。
妊娠に関しては夜中とか休日に問題になるような症状が起きたら困るので、早めに紹介するようになる。そうやって注意していても予期せぬことが起きるので救急を受け入れてくれる施設は貴重である。勤務医の頃は受け入れる側だったので、その大変さもわかっていて安易に紹介しないようにしてはいるが、紹介しようかどうしようかと苦慮することも多い。それでも、いつも快く受け入れてもらっているのはありがたいことである。

最近の昼食(2)

平成26年7月11日(金)
以前にも書いたが開業して十数年、昼食に行く店は大筋では変わらないが、閉店や味・好みの変化などで微妙に変わってきている。ずっと通い続けている店もあるが、いつの間にかレギュラー店から入れ替わった店もある。
初めから変わらず通っているのは「小太郎(串焼き)」「讃岐屋(うどん、他)」「一楽章(カレー)」「とくみ鮨(鮨)」「中屋(あなご丼)」「天甲(てんぷら)」で、初めの3店はほぼ毎週!飽きずに通っている。あとの3店は1~2か月に1回ぐらい。今のレギュラー店は先の3店に加えて、「菊屋(とんかつ)」「こけもも(ビーフカツ)」であるが、じつにうまい。ただ、さすがに年を取ると食べられなくなるというか、以前ほどお腹がすいたという感覚がなくなってきているのはさびしいことである。
休日であれば「はっぴ(そば)」「ペロー(パスタ)」「そばきり吟(そば)」などに行くが、飽きない味でしばらくするとまた行きたくなる店である。おいしく食べられるうちが花なので、いつまで行けるかわからないができるだけ続けたいものである。

藤原正彦著「ヒコベエ」

平成26年7月4日(金)
表題の「ヒコベエ」は「若き数学者のアメリカ」「遥かなるケンブリッジ」など興味深い著作を持つ数学者、藤原正彦氏の自伝小説である。氏はベストセラー「国家の品格」をはじめ、エッセイなど精力的に著しているがこの「ヒコベエ」は、著者の記憶の始まる3~4歳ごろから小学校を卒業するまでの自分史・家族史を中心に、戦後の混乱・復興期の世情が描かれていて読み出したらやめられなくなるほど面白い。
「ヒコベエ」は著者の幼小期の呼び名で、元気一杯・猪突猛進・ガキ大将、それでいてやさしくてユーモアのある氏にぴったりである。氏の母親は終戦後満州から幼い3人の子供を連れて命がけで引き上げた体験を書いた「流れる星は生きている」の著者、藤原ていであり、父親は気象学者で直木賞「強力伝」で知られる作家、新田次郎である。さすがカエルの子はカエルで、氏は数学者としての業績の上に興味深い本を多数著して多くの読者の支持を得ている。今は週刊新潮に毎週エッセイを載せているが、面白く読ませてもらっている。
次は、「ヒコベエ」と「若き数学者のアメリカ」のあいだ、思春期から青年期の自伝小説を読んでみたいものである。