日付別記事一覧 2014年3月19日

スプリンクラー設置の義務化

平成26年3月19日(水)
従来は一定の面積以上の病院に義務付けられていたスプリンクラーの設置が、すべての有床診療所に義務付けられる方向で検討されている。原因は福岡の医院の火災により死者が出たためだと思われる。スプリンクラーを設置するには、建物をそのように設計しなければならず、費用もかなりかかるうえに、もし誤作動でもすれば高価な医療機械が水浸しになってしまう。
今まで何十年も問題なくいっていたのに、わずか1件の防火扉の開閉さえ無視しているような未熟な施設の不始末のために、全国の有床診療施設に必要以上の義務を負わせるのは問題である。どれだけムダになっても自分たち(政府・役人)が非難されないようにとの、事なかれ主義の典型の義務付けである。
以前、麻酔薬のケタラールがたった1件の不良外人の不始末のために麻薬指定になり、全国の医師・獣医師が多大な迷惑を被っているのも同じ構造である。もっとも、なにかことが起こった時、すぐに責任を追及する一般人の姿勢にも問題があるので、公的機関が保証できるのはここまででそれ以上は「自己責任」だという線をはっきりさせればいいのである。
当院は無床診療所なのでスプリンクラー設置の義務はないが、すべての有床診療所への義務化はおかしいと思う。