日付別記事一覧 2013年6月21日

超音波検査の安全性

平成25年6月21日(金)
慶応大学客員教授、名取道也氏による上記表題の講演があった。超音波検査は産婦人科、特に産科にとっては必要不可欠のもので、これがなかったら日本中の産科医療はストップしてしまう。自分が医者になった頃、非常に原始的な装置が開発されたが、当時の装置は使い物にならないくらい解像度が低いものだった。でもX線検査やCT検査のような被爆の心配もなく、大がかりな設備も不要で使いやすいことから特に産科領域で爆発的に発展してきた。
超音波の安全性に関しては今までなにも心配したことはなかった。以前と比べて最近の装置は非常にクリアに見えるようになっていて、技術の進歩は素晴らしいと感じていたがその分音波のエネルギーが増しているという。通常の使い方では全く問題はないが、パルスドップラー法は一点に圧が集中するのでかかりすぎないように注意した方がよいとのことである。確かに泌尿器科で使う結石の破砕装置は超音波を使うが、それぐらい強いエネルギーがあるということだ。最近の診断装置がよくなったのは圧を強くしているからだろう。もちろんそのために圧を示す表示があり、それを確認しておけば問題ないようになっているとのことであるが。
自分の所ではパルスドップラーを使っていないのでほっとしたが、新しい視点から超音波検査を考えるきっかけになった。