平成23年6月24日(金)
ウインブルドンのテニスが始まった。おとといの夜はクルム伊達選手があのヴィーナス・ウイリアムスを相手に一歩も引かず、すばらしい戦いを見せてくれた。正直なところ、40歳の伊達選手がここまでやれるとは思わなかった。夜12時を過ぎて始まるので、一応録画するようにしていたのだが、つい見てしまったら目が離せなくなった。寝不足になると困るので、惜しかったけれど途中で無理にテレビのスイッチを切って寝たが、翌日録画を見て感嘆したことである。
昨夕は超音波の講演に久留米大学から来られた先生がテニスが好きで、やはり見てしまって寝不足です、とおっしゃっていた。わが国ではスポーツを始め他の分野でも、世界に通用するのは女性である。男たちはあまり冴えないのはどういうわけだろうか。でも、その優秀な女性たちを同胞と思えるのはうれしいことである。
月別記事一覧 2011年6月
ウインブルドン
文芸春秋7月号
平成23年6月17日(金)
文芸春秋7月号の特集は「大研究 悔いなき死」である。その中で、大津秀一医師の「ホスピスで見た1千人の死、最後の言葉はありがとう」の文章は興味深い。
人は死期を悟ったら最後は従容として従うようである。その心境にいたるまでにどんな葛藤があったかは誰にもわからない。少しでも生の望みがあればどんな苦痛にも耐えて治そうとするだろう。がんを切除する手術、抗がん剤治療を受けることなどがそうである。それらが無効だとわかると、すべてをあきらめ次第に衰えていき、最後は穏やかな死を迎えるようにみえる。でも本人の心の中はだれにもわからない。生老病死は必然であり、死ぬときは一人である。だからこそ生きている間は人とつながりあって生きたいものなのである。
すすまないワクチン
平成23年6月10日(金)
今日から子宮がん予防ワクチンの接種がOKとなった。といっても、今年高校2年生になった人と、1月から3月までにすでに接種を開始している人の2回目ないし3回目の人だけが対象であるが。初めての接種はまだ無理なようである。
震災を期にいろいろ困難なことが続出している。財政破綻ははっきりしているのだから、バラマキ政策はすべて中止しなければ仕方ないだろう。われわれ国民もバカではないのだから、今国の財政がどうなっているかぐらいはわかっている。政府はまともな政策を施行してほしいものである。
適応とがん
平成23年6月4日(土)
女性ホルモン依存腫瘍である乳がんや子宮内膜がんは、閉経後の血中女性ホルモンがほとんどない時でも増殖していく。それは、腫瘍組織内でホルモンを作っているからで、このことがわかってきたのは1980年代以降である。がん組織が生き延びるためには、本人にはお構いなく何でもやるということだ。
生物は環境に適応するためにその形や代謝を様々に変えて生きてきた。環境に合わせて変えることができた生物のみが生き延びていて、それ以外は全部滅びてしまった。飛躍するようだが、変える能力を持っているがゆえに「がん」も発生するのである。つまり、良い方に変われば「適応」として生き延びることができ、悪い方に変われば「がん」となって滅びる。「適応」と「がん」は紙一重、表裏の関係である。だから人類は「がん」を克服することはできないだろう。