平成22年7月31日(土)
7月も今日で終わりである。スタッフから「手術の日が近づきましたね」と言われ、来る8月6日の下肢静脈瘤の手術のことを思い出してしまった。
去年ごろから悪化していよいよ手術しか改善の方法はないことが分かっているので、仕方がないとはいえあまり愉快なことではない。まあ術後には気持ちよく走り回れることを望みにして手術に臨もうと思う。年をとれば体の色々なところにガタが来るのは仕方がない。というわけで8月6日と7日は休診です。今のうちにおいしいものを食べておかなくては。
月別記事一覧 2010年7月
手術日が近づく
山本七平氏の本
平成22年7月26日(月)
自宅の押し入れにしまっていた本を整理していたら、山本七平著「私の中の日本軍」が出てきた。かつて氏の著書「日本人とユダヤ人」に感心して以来、「ある異常体験者の偏見」「日本教について」など熱心に読んでファンになっていたが、ベストセラーになった「日本人とユダヤ人」について批評した浅見定雄著の「にせユダヤ人と日本人」も名著であると感服したことなどを思い出した。
「私の中の日本軍」はいま読み返してみても、よくこれだけ過去のことを覚えているものだと驚嘆する。同じ体験をしても、それをどのようにとらえているかは個人個人で違うとおもうが、山本氏のとらえ方はすごいものがある。さすがに一世を風靡しただけのことはあると、しみじみ思った次第である。
通勤には楽チャリ
平成22年7月21日(水)
全国に水害をもたらした梅雨が明けたと思ったら、連日の猛暑である。通勤にはあいかわらずアシスト自転車を使っているが、ありがたいことにほとんど汗をかかない。やはりアシスト自転車は「楽チャリ」という名にふさわしい。
スポーツとしてのサイクリングをやっている人からは「アシストなんかやめてスポーツサイクルをやれば」と言われるが、下肢静脈瘤が悪化しているので力を入れてペダルをこぐことができない。来月、手術を受けるつもりなので治癒した暁にはそうしてもいいが、でも一旦楽をしてしまったのでアシストを止めるのは無理だろうな。自分の性格からいって、高校時代にこんな自転車があったら片道10キロの通学に使っていたことだろう。
低用量ピルの処方
平成22年7月12日(月)
当院では多くの人にピルを処方しているが、ピル処方のための定期健診は患者さんの負担になるので、できるだけ少ない回数で行うようにしている。
低用量ピルがわが国ではじめて使われるようになった頃は、厚労省の指導で3カ月ごとに検診しなさいということだった。これは諸外国ではありえない慎重さで、どう考えても使用者を心配してというより、何かあったらピルを承認した責任を追及されたくないという厚労省の姿勢が感じられた。これらの負担は全部患者さんにかかってしまう。それで当院では私の責任で1年に1回行うようにしていた。
その後、安全なことがより明らかになったためか、厚労省の指導は1年に1回でよいことになった。その頃、当院では問題のない人はもっと間隔をあけてもいいのではないかと、ケースバイケースで検討していた。その結果、2年以上検診していないケースも出てきたので、検診の間隔が長すぎる人にはこちらから勧める場合も多くなってきた。
ところが検診を勧めると「近くの医院でもう済みました」という人もいて、当院ができるだけ患者さんの負担を少なくしようとしている気持が伝わっていないのだと、なんだかなと感じることがある。ピルを処方しているのだからそれによる効用および副作用を検証する責任があるが、そのための検診をできるだけ少なくしてあげたいという真意が伝わっていないと思うのである。
バラマキ行政
平成22年7月5日(月)
子宮がんのワクチン無料化を公約にしている参議院選挙の候補者が何人もいるようだ。
これこそバラマキ行政の最たるものである。優先順位からいえばもっと有効な医療政策はいっぱいある。たとえば子宮がん検診と婦人科検診の無料化に必要なお金は、高価で効率の悪いワクチンよりはるかに安く有用である。女性の病気は癌だけではない。子宮筋腫、内膜症、卵巣腫瘍、不妊症、性感染症などたくさんあるが、子宮がん検診はまさに「子宮がんの検診のみ」である。少なくとも超音波検査を併用しないとこれらの疾患をきちんと診断することは難しく、現在の検診ではこの検査は必要ないことになっている。
子宮がんが予防できるなどと言うが、じつに疑わしい。ある程度は有効であったとしても、それにかかる費用をだれが負担するのか?ワクチンを製造している外国巨大製薬会社の強力な働きかけで、公費負担で接種している国もあるようだが、もう少し考えた方がいいと思う。借金が増えまくっているわが国で、もっと優先すべきことはほかにあるだろう。