平成21年7月16日(木)
わが国の女性の平均寿命は86歳で、今年も世界で第一位だったそうだ。男性は残念ながら第四位である。昭和20年代の平均寿命は50数歳だったことを思えば、30年も延びたことになる。
わずか半世紀で急に30も時間が使えるようになったからといっても、手放しで喜べるわけではないようだ。年をとればそれだけできることが限られてくるし、故障個所も増えてくる。若い時のように、健康で元気なまま30年延びたのなら幸せなことだろうが、そうではない。かつては一生懸命仕事をして子供を一人前に育て、それほど間もないうちに亡くなるのが普通であったから、惜しまれつつ世を去るという言葉がぴったりだった。
今は寿命の延びた30年をどう過ごすかを考えなければならない。いい知恵があるわけもなく「生きがい」などという、昔ならわざわざ考えなくてもすんだ言葉が切実な問題になっている。おまけに、要介護の状態にでもなったら、人に迷惑をかけまくりになる。そしてそのことをすまないと思ってもどうしようもないのである。