日付別記事一覧 2008年3月10日

Bakerの仮説

平成20年3月10日(月)
昨日は、広島医師会館で県の産婦人科医会総会がおこなわれた。
講演は医会本部理事による無過失保証制度についての話と広島大学産婦人科の工藤教授による胎児と成人病にまつわる興味深い話であった。
この30年の間に先進国の中でわが国が最もSFDとよばれる小さな赤ちゃんを産む比率が高くなり、満期で生まれる赤ちゃんの体重が平均300g小さくなった。やせた女性が妊娠して、その後体重があまり増えないとSFD児が生まれる比率が増すという。今のわが国ではダイエットがブームとなっていて、欧米の女性から見たらむしろやせているのに、ダイエットをしている女性が多い。これがわが国にSFD児が増えた原因ではないだろうか。問題なのは、SFD児が後に糖尿病などの成人病を発症する比率が高いというBakerの仮説があり、この仮説が正しければ将来わが国は成人病が最も多い国になるかもしれないこと。
やはり、行き過ぎたダイエットは自分だけでなく、子供の将来にまで悪い影響を与えるのではということである。