日付別記事一覧 2007年12月26日

いい薬なのに

平成19年12月26日(水)
分娩誘発について、英米ではPGE2を子宮頚管内に入れることにより、安全でスムーズにお産ができることから、そのように使うことが認められている。
この薬は初めは内服薬として開発され、1時間ごとに1錠内服することで陣痛が起こり、お産がはじまるというものであり20年以上前からわが国でも使われている。ただし、実際に使ってみてあまり有効ではないという印象であったが、頚管内に入れることで熟化を促し分娩の誘発には最適であることがわかってきた。そのため、米英では頚管内に入れることが承認され使われている。現在わが国で承認されている分娩誘発法よりも、はるかに優れていると思われる。
防衛医大の初代産婦人科教授の加藤先生が、この方法の安全性・優位性を基礎からきちんと研究され、データを発表されているにもかかわらず、わが国では頚管内投与の承認どころかその議論さえ起きていない。分娩誘発自体がタブー視されている現状では無理ないかもしれないが、いいものは認めないと結局は患者さんの不利益になると思う。「羹に懲りて膾を吹く」という愚は避けたいものである。