平成19年9月24日(月)
哲学者中島義道氏の「うるさい日本の私」という著書がある。彼はウイーン大学での留学を終えて帰国した途端にさまざまな場所での放送音に悩まされるようになる。曰く、「列車が入ります、危険ですので白線の内側まで下がってください」とか、ATMの機械では「毎度ありがとうございます…操作ボタンを押してください…ありがとうございました」など、欧米では皆無のおせっかい放送が耳について仕方ないというのである。さらに、道路わきには「暴力追放宣言都市」だとか「交通安全宣言都市」などなんの意味があるのかといったポスターがべたべた貼られているの見るにつけ、これらの意味があると思えないものに違和感を覚えるのであった。
以来十数年、改善すべく孤軍奮闘してきたけれど日本ではいっこうにこれらのおせっかい放送やおせっかいポスターがなくならないのである。ついに、同様の違和感を持つ哲学者加賀野井秀一氏と共著で「うるさい日本を哲学する」という本を出すに至ったのである。