月別記事一覧 2007年6月

輪廻転生は真実

平成19年6月30日(土)
早いもので今年も半分が過ぎてしまった。誰かが書いていたが、我々の体はすべて地球上の物質からできていて、最後は土に還る。そしていずれは植物の栄養となり、その植物を摂取して人間を含めた生物が生きてゆく。つまり、地球上で物質のリサイクルしていることになる。我々の体は単なる遺伝子の乗り物だというが、生物の生き延びようとする意思はどこから来ているのかという疑問がある。そして、生き延びる意思が生物の体を借りているということが本質であり、意思そのものが存在するのではないかという。
なるほどそうかもしれない。さらにそれが本当なら実体はなくても意思そのものがこの地球上を飛びかっていることになる。これは輪廻転生の考えに近いが、このような視点で世の中を眺めるのは楽しいことである。

稲作の大切さ

平成19年6月26日(火)
先日、久しぶりに実家に帰ってみたら、家の周囲の田には水が湛えられ整然と稲の苗が植えられていて、昔からなじんだ風景が広がっていていいものだった。
多くの食物を輸入にたよっている我が国で、自給できる農作物といえばなんといっても米である。世界中で主食となっている穀物は、小麦、米、とうもろこし、いも、などがあるが、総合的に見て米が一番だと思う。稲は高温多湿の日本に適した植物であり、稲作を通じてわが国特有の共同体が確立してきたのである。問題は米の値段が安すぎて、米を作ってもほとんど利益がないことである。加えて田舎には農業を継承する若者が少なく、稲作をすることが難しくなっている。だからといって手入れをせず田を放置すると、雑草などのため周囲の田に迷惑がかかる。稲作がなくなることはないだろうが、かなり難しい状況になっているようである。

東京に温泉?

平成19年」6月21日(木)
ニュースによると東京の温泉関連施設で爆発があったとのことである。わが国では温泉という名称があれば人が来てくれるので、東京のようなところでも地中深く穴を掘って無理やりお湯を出せば温泉として売り出すことができる。今回の事故の温泉はなんと地中深く1500m掘ったところの泉源からひいたもので、同時に出るガスがたまって爆発したそうである。
地球の内部には熱いマグマがあるのだから、どこを掘っても必ず温泉は出てくる。なにを血迷ってわざわざ地下深く穴を掘って無理をして温泉と称して人を集めるのだろうか。温泉なんてもとは自然にあふれて出たお湯を利用することで、施設として成り立ってきたものである。最新の技術を使わないとできないようなものは温泉とは言えない。地下水が地熱で温まったお湯も、水道水をボイラーで温めたお湯も同じようなものである。利用者である我われがこんなまがい物には近づかなければよいのである。

梅雨入り

平成19年6月15日(金)
入梅してうっとうしい日が続く。朝は雨が降っていないので自転車で行くと、帰りは雨になってバスで帰宅することもある。その場合は翌朝は自転車通勤できない。なんだか損をしたような気持ちがするのが不思議である。
昨日は市内某ホテルでHPV(ウイルス)と子宮がんの講演があった。子宮頸がんの原因がHPVによることがいまや常識になってきたが、実際のところHPVの感染があったらどれくらいの率で浸潤がんになるのかというと、0,1%だそうである。もっと高いかと思っていたが意外に少ないのである。そもそもウイルスの感染だけではがんは発症しない。その後、いろいろな条件が重なってがん化するのである。さらに、HPVの感染が最も多いのは10代20代で、以後減っているのは自然治癒があるからである。欧米ではワクチンが使われ始めたようだが、日本ではどうだろう。費用対効果を考えると悩ましいところである。

ママチャリ

平成19年6月9日(土)
高血圧がわかってから、自転車で通勤するために乗りやすそうなママチャリを買った。27インチ、3段変速、自動点灯LEDライト付で、じつに軽快に走る。季節もいいのだろうが、毎日自転車で通勤するのは気持ちがいい。なぜもっと早く自転車通勤にしなかったのか悔やまれる。片道3キロだから15~20分の走行だが、MP3で音楽を聴きながら走れば短いぐらいである。アルコールは今までと変わりないが、散歩をするようにしたら恐ろしいもので体重が2キロ減った。血圧もだいぶ下がってきたのでもうしばらくは薬を飲まずに経過を見るつもりである。いずれにせよ高血圧の指摘は生活習慣を考えるいい機会だったと思う。

山本七平氏について

平成19年6月4日(月)
とうかさんが終わると例年では梅雨に入る。今年はいつもより祭りが早かったので入梅はもう少しあとになりそうだ。
先日、評論家として活動していた「山本七平」という名前をグーグルに打ち込んで検索したところ、以前手に入れたいと思っていたが絶版になっていた本が古書として売られていることがわかったので、さっそく注文してみた。1984年発行の「山本七平全対話集」と氏のがんになってから死ぬまでのことを著した「七平ガンとかく闘えり」である。便利になったものだ。ネットのない時代にはこれらの古書を探すのは大変だった。今は全国ネットになっているのでたいていの本は手に入るようになった。
齢五十にもなると心情的に共感を持ってきた作家や世に出た人達の生き方の行方を見守ると同時に、死に様を知りたいと思うようになってきている。山本七平氏は「日本人とユダヤ人」という本で世に出たが、その後精力的にたくさんの本を著した。一時ほとんど全著作を読んだが、彼の本の内容の間違いを指摘し、完膚なきまでに論破した宗教学者の本もありじつに面白かった。一人の人間の評価は棺を蓋ってはじめて確定するといわれるが、何十年も経ってから再評価されることもある。山本氏の評価はほぼ固まっていると思われるが、今後再び脚光を浴びることがあるかもしれない。そういう意味で古典は歴史の試練を経て評価されているので貴重な人類の遺産というべきである。