日付別記事一覧 2007年4月21日

筍と梅

平成19年4月21日(土)
先日、田舎の父親から「たけのこがとり頃になったので帰ってこないか」という電話があった。ありがたいことである。
田舎にいた頃はこの季節になると日曜日には筍を裏山に掘りに行くのが慣わしだった。くわを持ち、ネコ車を押して山の畑のそばにある小さな竹やぶに行くと、あるわあるわ、地面からちょっとだけのぞいた竹の子がいっぱい見られた。鍬を筍より少し離れた地面に筍に向かって深く打ち込み、てこのように鍬の歯を起こすときれいに掘れる。慣れてくると一回の打ち込みで掘れるのであっという間にあたり一面筍だらけになる。筍を掘るのは楽しいが回収するのは大変である。あちらこちらにある掘ったばかりの土のついた筍を集めてまわるが、袋はすぐに一杯になるし、重い。その袋をネコ車のところまで運んでネコ車が一杯になったら山道を持ち帰るのである。持ち帰った後は米ぬかをまぜて茹でたりしていたようだが、毎日食卓には筍の料理が載っていていいかげん閉口した。
竹は繁殖力の強い植物で、油断していると周りの畑はすぐに竹やぶになってしまう。地下茎が伸びていっていつの間にか離れた畑から竹が生えてくるのである。中学時代には、竹やぶのそばに使っていない畑があったので、父親に「梅の木を植えてもいいか」と頼んで承諾してもらい、6本ばかり植えて育てたことがある。将来は梅林にして梅を収穫し、大儲けしようとたくらんだのである。幸い?うまくいかなかったが、梅の木は残った。でも今はその畑はすっかり竹やぶになってしまい、梅の木は枯れてなくなってしまっている。