平成19年2月19日(月)
「医療崩壊」を読むと、近年病院に勤務する外科系の医師がその責任の重さと勤務の過酷さ、さらにそれに対する報酬の少なさのために辞めて開業したり、もっと楽なところへ行ってしまう傾向があるという。
他科のことはわからないが、産婦人科について言えば間違いなくそうなっているし、そもそも新人が来ない科になっている。かつては東大でも成績の良い学生が産婦人科を選択した時代もあったという。その頃は産婦人科は収入もよく、尊敬もされていてやりがいがあったようである。今は、収入は他科と変わらず勤務体制ははるかに過酷で、母子に何かあればたとえ責任がなくても非難されるご時勢である。この10年間で見ても、すべての科の医師は増えているか悪くても横ばいであるが、産婦人科だけは減っているのである。だれが産婦人科を選ぶというのか。女性医師は増えているが自身のお産や育児などクリアしなければならない問題も多く、なにより一生分娩に携わることが難しい現実がある。これからどうなっていくのかわからない、というのが実感である。