平成18年10月2日(月)
職場の健康診断で検尿に異常があるので、医療機関でくわしく検査するようにいわれて来院された人が今日もいた。その健康診断が行われたのはじつに1ヶ月!前で、本人は自覚症状はなにもないという。調べたところ尿も正常で何も問題ない。
こういうケースは実に多く、たとえ軽い膀胱炎でも自然に治ることもあれば、悪化することもある。前者なら放置しておけばよいし後者ならすぐに抗生物質を処 方しないと腎盂炎になりかねない。健康診断の結果が本人に知らされるのはおよそ1ヶ月くらい後だろうから、急性の病気には意味がなく、治っているものには 更に意味がない。時間とお金のむだである。
そもそも健康診断(人間ドックを含めて)に意味があると思われたのは学校や職場での結核を防ぐという意味においてであり、現在のような健康診断が意味があ るという証拠はいまだにないのである。厚労省は健康診断には血圧の測定ぐらいしか意味がなく、健康の増進および病気の悪化を防ぐ証拠はないとの報告書を出 したというのに、いまだに職場の健康診断が法律で義務付けられているのはどういうことだろうか。全国で行われているこれらの健康診断に要する費用を介護に まわしたら、介護の内容がどれだけよくなることだろう。早く気付いてほしいものである。