月別記事一覧 2006年1月

平成18年1月

1月28日(土)
同じ病気に対して出す薬が医者によって異なることがある。一般的に薬の効果を信じている度合いが強い医者ほど、たくさんの薬を処方する傾向があるようだ。 私などは本当に効果が証明されている薬以外は出したくないし、そもそも薬にあまり期待していない。薬を使おうが使うまいが治る人は治るのである。同じよう に治るなら薬は使わない方がいい。お金もかからないし副作用の心配をしなくていい。もちろん感染症に対しては抗生物質は必要であるし、他にも必須の薬はあ るが、あってもなくてもいいような薬のほうがはるかに多いのではないか。薬についてだけでも医者によって考え方が違うのであるから、診断能力、治療技術か ら話の仕方、生命に対する哲学までそれぞれの違いは大きなものがあり、それが医者の個性というものである。

食べ過ぎ(飲み過ぎ?)

平成18年1月24日(火)
昨日は朝から胃の具合が悪いうえに寒気もあり、一日中何も食べずに過ごした。さすがに夕方になるとフラフラしてきて、診察するのがつらかった。前々日に久しぶりに深酒をして二日酔いなのに前日にも会があってワインとビールをしっかり飲んでそれだけならよかったのだろうが、帰宅してから鳥鍋うどんと赤飯に ビールを飲んでしまった。さあ翌日は朝から胃部不快感と下痢で一日中しんどかった。だから夜は湯豆腐すこしだけ食べてすぐに就寝。よくしたもので今日はほ とんどもとにもどってくれたのはありがたいことであった。

「甃のうへ」に寄せて

平成18年1月17日(火)
ここしばらく暖かい日が続いている。私自身もいつものペースに戻ってきた。
年末に文春新書から「わたしの詩歌」という本が発刊された。作家や評論家、俳優などが心に残る詩や歌を挙げてエッセイ風に書いたもので、中には私の好きな詩もあってなかなか面白かった。自分では三好達治の「甃のうへ」という詩が好きであった。高校の教科書に載っていた詩であるが、青春の息吹をまぶしく感じながら孤独な自分を見つめている、それでもなお春の明るさはかなさを味わっているところにひかれたものだ。あまりに気に入ったので、曲をつけて一緒に音楽をしていた同級生や音楽部の顧問に披露したことを思い出す。その後、多田武彦という作曲家が男声合唱曲にしていることを知り、聞いてみると実に快くさすがにプロはすばらしい(多田氏は本業は銀行家、作曲は余技であるが根強い人気がある)と思ったものである。

悲しみ

平成18年1月13日(金)
しばらく書いていなかったので今日からまた日誌を綴って行きたいと思う。
郷里の母が亡くなった。脳梗塞で衰弱していたが、とうとう力尽きたのである。細かく始末しながら私たち兄弟に教育をつけてくれた母親があの世に逝ってし まった。順送りとはいえつらいものだ。最愛の伴侶を失った父の悲しみははかりしれない。これからもできるだけ様子を見に帰るつもりでいるが心配である。今回の葬儀では近所親戚にはほんとうにお世話になった。なにもわからない私たちに、なにくれとなく面倒をみてくれてこれ以上ありがたいことはなかった。おかげで無事母を葬送することができた。心から感謝しているが、父の悲しみを思うと心が痛む。

いつものペース

平成18年1月7日(土)
正月気分もすっかり抜けて通常の診療になった。今年は出足があまりよくないようだが、開業して9年目にもなるとあまり気にならない。結局一年を通してみれば同じだということが経験でわかっているからである。
今日は土曜日なのでさすがに忙しく、午後になってやっと普通のペースになった。あまり忙しいと一人ひとりに時間をかけられなくなるのでこれぐらいがちょう ど良いのである。以前勤務医の頃は1時間に14人のペースで妊婦健診をしていたが、まさに驚異的なスピードで今同じようにしろと言われてもできないし、する気もない。やはりきちんと話ができる今のペースが最高である。今年も無理せず自然体で過ごして行きたいものだ。

謹賀新年(平成18年)

平成18年1月4日(水)
謹賀新年。平成18年は今日から診療開始である。今年は例年になくのんびりした一日であった。緊急避妊ピルを求めて来院する人も休み明けには必ず何人かいて、これはいつもと同じ。終了は6時30分、夕方になると立て込むのも例年と同じである。
一年の計は元旦にあり、なので元旦には近くの神社に初詣に行き、賽銭を供え今年の目標を祈ろうと手を合わせた。今年の目標はなんだろうと考えてみたがこれ といって心に浮かんでくることがなく、仕方がないので昨年と同じ目標にしておいた。破魔矢を買おうと思い社務所に寄ってみると、後ろに並んでいる招運の熊手の方がご利益がありそうなので、中ぐらいのを買ってしまった。さらにおみくじ(小吉)をひいて甘酒を飲んで帰宅した。さて今年の運勢はどうだろうか。