日付別記事一覧 2005年10月31日

産婦人科の危機

平成17年10月31日(月)
全国的に産婦人科医師のなり手が減っている。特にお産をする医療施設が減り、広島でもすでに数施設がお産をやめてしまった。これは大変な問題である。さらに新しく医師になる若い人たちが産婦人科を選ばなくなっているそうだ。お産をやめてしまった自分が言うのも何だが、24時間待機していてうまくいってあたりまえ、もし何かあったら責任を追及されるという、お産が本質的に持っている危うさを、これから医師になってどの科を専門にしようかという若い人たちが本能的に感じているからではないか。
お産は、新しい生命の誕生にかかわることのできる本当に大切なやりがいのある仕事であるが、年齢とともに夜起こされることが億劫になり次の日の仕事に差し支えるようになると考えてしまうのだ。
現在我が国では毎年8千人ずつ新しい医師が増えていて、どの科の医師数もどんどん増えているそうだが、産婦人科だけ!は医師の数が減っているのだ。このままでは、お産する女性は妊娠したらできるだけ早くお産のできる施設を確保しないと、病院や医院でお産ができなくなるかもしれない。実は一部の地域ではすでにその徴候があるという。