日付別記事一覧 2005年6月18日

田植えの頃

平成17年6月18日(土)
梅雨に入ったはずなのに雨が降らない。これでは田植えができないのではないだろうか。
私は実家が農家なので、中学までは田植えや稲刈りは必ずしなければならない仕事だった。なにしろ小学校では「農繁休暇」が年に二回、田植えの時期と稲刈り の時期にあったのだから。周囲は皆農家ばかりなので違和感はなかったが、たまに勤め人の家の子供は手伝わなくても良いので、遊んでいるのがなんともうらや ましかった。こんな純農家出身の医者は少ないようで、私自身ほとんど見たことがない。わずかに先輩に一人、実家に田があるという話を聞いたことがあるぐら いである。したがって貴重なトキのような存在ではなかろうか。もっとも今は、田植えも稲刈りも機械でするようになったので、子供が手伝うことはなくなった のだろうが。
そういえば学生時代、半農半医の先生を見たことがある。アルバイトで薬の使用のアンケートをお願いしていた関係で二ヶ月ごとに訪ねていたが、地方の大きな旧い家で、 「○○醫院」と墨書された古びた看板のある医院用の入り口と、農家用の門が別々にある土塀の屋敷であった。訪ねると先生はたいてい畑仕事の格好で、あらか じめ記入した調査用紙を渡してくれたが、患者さんの姿を見たことはほとんどなかった。今から思うとあの先生は達人の生き方をされていたのかもしれない。 もっと話を聞いておけばよかった。