日付別記事一覧 2005年3月7日

病気の予後

平成17年3月7日(月)
我々は明日のことはわからないから毎日平穏に暮らしているが、もしどうなるかわかってしまったら心穏やかではいられないだろう。医者は、患者さんの病気の予後がかなりわかるので、予後不良の場合はどのように対処しようかと悩むのである。患者の立場から言えば、がんを宣告されたときの衝撃はすごいものがあるだろうが、いくら想像しても実際のところは本人以外には本当のところはわからないと思われる。
流産の場合も、初期で胎児(胎芽)の心臓の拍動が確認できても近いうちにだめになることが予測できる場合がある。超音波検査で診断できるのであるが、どのように話そうかといつも悩む。衝撃をできるだけ緩和するように努めているつもりであるが、実際のところつらさは本人にしかわからないだろう。医者は予後を知ってしまうが故に悩みも深まるのである。