平成17年2月5日(土)
「ゾウの時間ネズミの時間」という本がある。著者は東工大の教授で生物学者であるが、1992年8月が初出版で好評らしく現在52版を重ねている。発売当 時から評判になっていたと記憶しているが残念ながらまだ読んでいなかった。今回初めて読んでみたが、実に面白い。もっと早く読んでおけばよかった。語り口 もわかりやすく、斬新な視点でとらえた新しい生物学だと感心している。たとえば、哺乳類ならヒトを含めどの動物も心拍数は20億回で寿命が尽きることや、大きい動物と小さい動物は総じて時間の流れるスピードが異なるなどの説を、なぜそうなのか事実をつみ重ねて丁寧に説明している。
こういう生物学なら面白いし中学生や高校生でも興味を持つのではないだろうか。従来の生物の授業は全然面白くなかったことを思い出してしまったが、学問に限らずなんでも面白くなければだれも本気で取り組まないし、発展もないだろう。医学も同じように、いろいろな視点から自由な発想で取り組んでいく必要があると思う。