日付別記事一覧 2005年1月7日

アナフィラキシー

平成17年1月7日(金)
午後の診療開始早々、抗生物質を1錠飲んでアレルギー反応の出た患者さんがおられた。今我が国で最も広く使われている抗菌剤のひとつで、10年以上多くの人に処方しており特に問題なく、今回も午前中の外来で処方したのであるがこのようなことは初めてであった。内服後顔が紅潮し、気分が悪くなり呼吸音に軽い喘鳴が認められた。この症状は内服30分後ぐらいで起こり、すぐに来院されたのだ。血圧・脈拍は正常であったが、内科の先生に診察を依頼したところ、念のため救急車で市民病院の救命救急へ移送することになった。その後移送先のドクターから「おちついてきてもう大丈夫と思うが念のため一晩入院してもらいます」との知らせがあった。そして翌日の午前中に問題なく退院となった。
アレルギーは恐い。たとえ10万人に問題なくても10万1人目に起こることがあるのだ。今まで一度もなかったからといって、今後もないとはいえないのである。アレルギーにはいつも注意しているつもりであったが、今回はまさかと思うような出来事であった。実は私自身アレルギー体質があって同じような経験をしたことがあるが、その時は解熱鎮痛剤で同じような症状が出て本当に苦しかったが、5~6時間するとおさまって事なきを得た。初めての薬であればその薬に対するアレルギーの有無は、使ってみないとわからないのである。
今後は薬の処方に対しては一層注意していくつもりであるが、アレルギーは恐いと改めて感じた年頭であった。